歴代誌-下

1章

1:ダビデの子ソロモンは自分の支配を固めた。彼の神、主が共にいて、彼を高め偉大な者とされた。
2:ソロモンは、すべてのイスラエル、千人隊と百人隊の長、裁判官、全イスラエルのすべての指導者、家系の長に呼びかけ、
3:全会衆と共にギブオンにある聖なる高台に行った。そこには、かつて荒れ野で主の僕モーセが造った神の臨在の幕屋があった。
4:ただし神の箱は、既にダビデがキルヤト・エアリムからエルサレムに幕屋を張って備えた場所に移してあった。
5:主の幕屋の前には、フルの孫でウリの子であるベツァルエルの造った青銅の祭壇があった。ソロモンは会衆と共に主に尋ね、
6:そこで臨在の幕屋にいます主の御前にある青銅の祭壇に上り、その上で焼き尽くす献げ物一千頭をささげた。
7:その夜、神はソロモンに現れて言われた。「何事でも願うがよい、あなたに与えよう。」
8:ソロモンは神に答えた。「あなたは父ダビデに豊かな慈しみをお示しになり、父に代わる王としてわたしをお立てになりました。
9:神なる主よ、あなたは父ダビデになさった約束を今実現し、地の塵のように数の多い民の上に、わたしを王としてお立てになりました。
10:今このわたしに知恵と識見を授け、この民をよく導くことができるようにしてください。そうでなければ、誰が、あなたのこの大いなる民を裁くことができましょうか。」
11:神はソロモンに言われた。「あなたはこのことを望み、富も、財宝も、名誉も、宿敵の命も求めず、また長寿も求めず、わたしがあなたをその王として立てた民を裁くために、知恵と識見を求めたのだから、
12:あなたに知恵と識見が授けられる。またわたしは富と財宝、名誉もあなたに与える。あなたのような王はかつていたことがなく、またこれからもいない。」
13:ソロモンはギブオンにある聖なる高台、その臨在の幕屋を後にしてエルサレムに帰り、イスラエルを治めた。
14:ソロモンは戦車と騎兵を集め、戦車千四百、騎兵一万二千を保有した。彼はそれを戦車隊の町々およびエルサレムの王のもとに配置した。
15:王はエルサレムで銀と金を石のように、レバノン杉をシェフェラのいちじく桑のように大量に供給した。
16:ソロモンの馬はエジプトとクエから輸入された。王の商人は代価を払ってクエからそれを買い入れた。
17:また彼らはエジプトに上り、戦車を一両銀六百シェケル、馬を一頭百五十シェケルで輸入した。同じように、それらは王の商人によってヘト人やアラム人のすべての王に輸出された。
18:ソロモンは主の御名のために神殿を、自分のために王宮を建造するように命じた。

2章

1:ソロモンは荷役の労働者七万人、山中で石を切り出す労働者八万人、その監督三千六百人を動員した。
2:彼はまたティルスの王フラムに使節を遣わして、こう言わせた。「あなたは、父ダビデに協力を惜しまず、父の住まいとなる王宮の建築のためにレバノン杉を送ってくださいました。
3:わたしはわが神なる主の御名のために神殿を建て、これを主のために聖別して、その御前に香草の香をたき、絶えずパンを供え、朝に夕に、安息日と新月祭、我らの神なる主の祝祭日に、焼き尽くす献げ物をささげ、この事がイスラエルにおいていつまでも守られるようにしようとしています。
4:わたしが建てようとしている神殿は大いなるものです。わたしたちの神はすべての神々にまさる大いなる方だからです。
5:しかし、この方のために神殿を建てる力が誰にありましょうか。天も、天の天もこの方をお納めすることができないからです。主のために神殿を建てようとするわたしは何者でしょうか。神殿はただ主の御前に香をたくためのものでしかありません。
6:従って、今、金、銀、青銅、鉄、深紅の織物、緋の織物、青の織物を扱う熟練した者で、種々の彫刻にたけた者を一人こちらに送ってください。父ダビデがそろえて、わたしのもとにいるユダとエルサレムの熟練した者に力添えをさせていただきたいのです。
7:またレバノンからレバノン杉、糸杉、白檀の木材を送ってください。わたしは、あなたの家臣たちがレバノンの山林の伐採のことをよくわきまえていることを知っています。わたしの家臣をあなたの家臣と共に働かせ、
8:大量の木材を準備させていただけないでしょうか。わたしは輝かしく偉容を誇る神殿を建てようとしているのです。
9:伐採作業に当たるきこり、あなたの家臣に、わたしは小麦二万コル、大麦二万コル、ぶどう酒二万バト、オリーブ油二万バトを送り届けます。」
10:ティルスの王フラムは、ソロモンに次のような返書を送ってきた。「主は御自分の民を愛して、あなたをその王とされた。」
11:彼はまたこう言った。「天と地をお造りになったイスラエルの神なる主はたたえられますように。主はダビデ王に賢明で聡明な洞察力のある子をお与えになり、その子が主のために神殿を、国のために王宮を建てようとしています。
12:今わたしは、聡明で熟練した者、職人の頭フラムを送ります。
13:ダンの娘を母とし、ティルスの男を父として生まれた彼は、金、銀、青銅、鉄、石材、木材、深紅の織物、青の織物、麻の織物、緋の織物を扱い、どんな彫刻も作り、ゆだねられればどんな計画でも立てる能力があり、そちらの熟練した者、かつてのわたしの盟主、あなたの父ダビデの熟練した者に力添えをすることができます。
14:お申し出のあった小麦、大麦、ぶどう酒、オリーブ油はわたしの家臣にお送りください。
15:我々はあなたの必要とする木材をレバノンで伐採し、いかだに組んで海路ヤッファまで届けます。それをエルサレムまで運ぶのは、そちらでお願いします。」
16:ソロモンは、父ダビデが人口を調べたように、イスラエルの地にいるすべての寄留民の人口を調べたところ、その数は十五万三千六百人であった。
17:そのうち七万人を荷役の労働者、八万人を山で石を切り出す労働者、三千六百人を民を働かせるための監督とした。

3章

1:ソロモンはエルサレムのモリヤ山で、主の神殿の建築を始めた。そこは、主が父ダビデに御自身を現され、ダビデがあらかじめ準備しておいた所で、かつてエブス人オルナンの麦打ち場があった。
2:建築を始めたのは、その治世第四年の第二の月の二日であった。
3:神殿建築のためにソロモンが据えた基礎は、次のような規模のものであった。奥行きは古い尺度に従って六十アンマ、間口は二十アンマ。
4:前廊は、奥行きが神殿の間口と同じ二十アンマ。高さは百二十アンマ。彼は純金で内部を覆った。
5:この大いなる神殿に糸杉材をはり付け、それを上質の金で覆い、その上になつめやしと網目模様の浮き彫りを施し、
6:宝石で神殿を美しく飾った。金はパルワイムの金であった。
7:神殿の梁、敷居、壁、扉も金で覆い、壁にはケルビムの浮き彫りをつけた。
8:また彼は至聖所を造った。その奥行きは神殿の間口と同じ二十アンマ、その間口も二十アンマであり、上質の金六百キカルで覆った。
9:釘は金で重さが五十シェケル、階上の部屋も金で覆った。
10:彼は、至聖所の中に二体のケルビムを鋳物で造り、それを金で覆った。
11:その二体のケルビムの翼は長さが合わせて二十アンマであった。一方のケルビムの翼の一つは五アンマで神殿の壁に触れ、もう一つの翼も五アンマで、もう一方のケルビムの翼に触れていた。
12:このもう一方のケルビムの翼も、一つは五アンマで神殿の壁に触れ、もう一つの翼も五アンマで、他方のケルビムの翼に触れていた。
13:このケルビムの広げた翼は合わせて二十アンマであった。ケルビムは顔を内側に向けて足で立っていた。
14:彼は、青の織物、深紅の織物、緋の織物、麻の織物で垂れ幕を作ったが、それにもケルビムの縫い取りを施した。
15:彼は神殿の前に二本の柱を作った。高さは三十五アンマ、頂の柱頭は五アンマであった。
16:また内陣に網目模様の浮き彫りを造り、それを柱頭につけ、百個のざくろを造って、網目模様の浮き彫りにつけた。
17:その柱を聖所の正面の右と左に一本ずつ立て、右の柱をヤキン、左の柱をボアズと名付けた。

4章

1:ソロモンは青銅製の祭壇を造ったが、その長さは二十アンマ、幅は二十アンマ、高さは十アンマであった。
2:彼はまた鋳物の「海」を造った。直径十アンマの円形で、高さは五アンマ、周囲は縄で測ると三十アンマであった。
3:「海」の下には周囲に牛の像があって、それを取り巻いていた。すなわち、その「海」の周囲には、「海」と共に鋳造された牛が一アンマにつき十頭の割合で二列に並べられていた。
4:「海」は十二頭の牛の像の上に据えられていた。三頭は北を向き、三頭は西を向き、三頭は南を向き、三頭は東を向いて「海」を背負い、牛の後部はすべて内側に向いていた。
5:「海」は厚さが一トファ、その縁は、ゆりの花をかたどって、杯の縁のように作られた。その容量は優に三千バトもあった。
6:彼は清めのために洗盤を十作り、右と左に五つずつ置いた。その中でいけにえの用具が洗い清められ、「海」は祭司が身を清めるために用いられた。
7:また規定に従って金の燭台を十作って外陣の中の右側に五つ、左側に五つ並べた。
8:また聖卓を十作って外陣の中の右側に五つ、左側に五つ並べた。それに金の水盤を百作った。
9:更に彼は祭司の庭と大庭、および庭の扉を作り、それを青銅で覆った。
10:「海」は神殿の右側、すなわち南東の方向に置いた。
11:フラムは壺、十能、水盤を作って、ソロモン王のために神殿でしようとした仕事を終えた。
12:彼が作ったものは、二本の柱、柱の頂にある柱頭の玉二つ、柱の頂にあるその柱頭の玉を覆う格子模様の浮き彫り二つ、
13:格子模様の浮き彫り二つに付けるざくろの実四百、そのざくろの実は、柱の頂にある二つの柱頭の玉を覆う格子模様の浮き彫りのそれぞれに、二列に並べられていた。
14:また台車を作り、その台車に乗せる洗盤を作った。
15:また「海」一つ、それを支える十二の牛の像、
16:それに壺、十能、肉刺しを作った。職人の頭フラムはソロモン王のため、すなわち主の神殿のために、求めに応じてこのすべての祭具を作った。これらは青銅製で、美しく仕上げられていた。
17:王は、ヨルダンの低地、スコトとツェレダの間の粘土の豊かな所でこれらを鋳造した。
18:ソロモンはこれらすべての祭具を作ったが、それはあまりにも多く、その青銅の重さは量ることもできないほどであった。
19:ソロモンは神殿に置くためのあらゆる祭具を作った――金の祭壇、供えのパンを載せる聖卓、
20:規定に従って内陣の前で火をともすための純金の燭台とともし火皿、
21:最上の金で出来ている花、ともし火皿、火ばし、
22:純金の芯切り鋏、鉢、柄杓、火皿。神殿の入り口、至聖所に入るための奥の扉と、外陣に入るための神殿の扉も金であった。

5章

1:ソロモン王は、主の神殿のために行われてきた仕事がすべて完了すると、父ダビデが聖別した物、銀、金、その他あらゆる祭具を運び入れ、神殿の宝物庫に納めた。
2:ソロモンは、そこでイスラエルの長老、すべての部族長、イスラエル人諸家系の首長をエルサレムに召集した。「ダビデの町」シオンから主の契約の箱を担ぎ上るためであった。
3:第七の月の祭りに、すべてのイスラエル人が王のもとに集まった。
4:イスラエルの全長老が到着すると、レビ人はその箱を担ぎ、
5:その箱のみならず臨在の幕屋も、幕屋にあった聖なる祭具もすべて担ぎ上った。祭司たちはレビ人たちと共にこれらのものを担ぎ上った。
6:ソロモン王は、彼のもとに集まったイスラエルの全共同体と共に、その箱の前でいけにえとして羊や牛をささげた。その数はあまりにも多く、調べることも数えることもできなかった。
7:祭司たちは主の契約の箱を定められた場所、至聖所といわれる神殿の内陣に運び入れ、ケルビムの翼の下に安置した。
8:ケルビムは箱のある場所の上に翼を広げ、その箱と担ぎ棒の上を覆うかたちになった。
9:その棒は長かったので、先端が内陣の前の聖所からは見えたが、外からは見えなかった。それは、今日もなおそこに置かれている。
10:箱の中には石の板二枚のほか何もなかった。この石の板は、主がエジプトから出たイスラエル人と契約を結ばれたとき、ホレブでモーセが納めたものである。
11:祭司たちが聖所から出ると――そこにいたすべての祭司たちは、組分けによる務めにかかわらず聖別されていた――、
12:レビ人の詠唱者全員、すなわちアサフ、ヘマン、エドトンおよび彼らの子らと兄弟らは、麻布の衣をまとい、シンバル、竪琴、琴を持ち、百二十人のラッパ奏者の祭司たちと共に祭壇の東側に立っていた。
13:ラッパ奏者と詠唱者は声を合わせて主を賛美し、ほめたたえた。そして、ラッパ、シンバルなどの楽器と共に声を張り上げ、「主は恵み深く、その慈しみはとこしえに」と主を賛美すると、雲が神殿、主の神殿に満ちた。
14:その雲のために祭司たちは奉仕を続けることができなかった。主の栄光が神殿に満ちたからである。

6章

1:ソロモンはそのときこう言った。「主は、密雲の中にとどまる、と仰せになった。
2:荘厳な神殿を/いつの世にもとどまっていただける聖所を/わたしはあなたのために建てました。」
3:王は振り向いて、イスラエルの全会衆を祝福した。イスラエルの全会衆は立っていた。
4:王は言った。「イスラエルの神、主はたたえられますように。主は自ら語り、わが父ダビデに約束なさったことを御手をもって成し遂げ、こう仰せになった。
5:『わが民をエジプトから導き出した日からこのかた、わたしの名を置く家を建てるために、わたしはイスラエルのいかなる部族の町も選ばず、わが民イスラエルの上に立ついかなる指導者も選ばなかった。
6:わたしはただエルサレムを選んで、そこにわたしの名を置き、ただダビデを選んで、わが民イスラエルの上に立てた』と。
7:父ダビデは、イスラエルの神、主の御名のために神殿を建てようと心掛けていたが、
8:主は父ダビデにこう仰せになった。『あなたはわたしの名のために家を建てようと心掛けてきた。その心掛けは立派である。
9:しかし、神殿を建てるのはあなたではなく、あなたの腰から出る息子がわたしの名のために神殿を建てる』と。
10:主は約束なさったことを実現された。主が約束なさったとおり、わたしは父ダビデに代わって立ち、イスラエルの王座につき、イスラエルの神、主の御名のためにこの神殿を建てた。
11:またわたしは、そこに主との契約を納めた箱を置いた。その契約は、主がイスラエルの人々と結ばれたものである。」
12:彼は、イスラエルの全会衆の前で、主の祭壇の前に立ち、両手を伸ばした。
13:境内の中央に縦五アンマ、横五アンマ、高さ三アンマの青銅の台を造らせてあったので、ソロモンはその上に立ち、イスラエルの全会衆の前でひざまずき、両手を天に伸ばして、
14:祈った。「イスラエルの神、主よ、天にも地にもあなたに並ぶ神はありません。心を尽くして御前を歩むあなたの僕たちに対して契約を守り、慈しみを注がれる神よ、
15:あなたはその僕、わたしの父ダビデになさった約束を守り、御口をもって約束なさったことを、今日このとおり御手をもって成し遂げてくださいました。
16:イスラエルの神、主よ、今後もあなたの僕、父ダビデに約束なさったことを守り続けてください。あなたはこう仰せになりました。『あなたがわたしの前を歩んだように、あなたの子孫もその道を守り、わたしの律法に従って歩むなら、わたしはイスラエルの王座につく者を絶たず、わたしの前から消し去ることはない』と。
17:イスラエルの神、主よ、あなたの僕ダビデになさった約束が、今後も確かに実現されますように。
18:神は果たして人間と共に地上にお住まいになるでしょうか。天も、天の天も、あなたをお納めすることができません。わたしが建てたこの神殿など、なおふさわしくありません。
19:わが神、主よ、ただ僕の祈りと願いを顧みて、僕が御前にささげる叫びと祈りを聞き届けてください。
20:そして、昼も夜もこの神殿に、この所に御目を注いでください。ここはあなたが御名を置くと仰せになった所です。この所に向かって僕がささげる祈りを聞き届けてください。
21:僕とあなたの民イスラエルがこの所に向かって祈り求める願いを聞き届けてください。どうか、あなたのお住まいである天から耳を傾け、聞き届けて、罪を赦してください。
22:もしある人が隣人に罪を犯し、呪いの誓いを立てさせられるとき、その誓いがこの神殿にあるあなたの祭壇の前でなされるなら、
23:あなたは天からこれに耳を傾け、あなたの僕たちを裁き、悪人は悪人として、その行いの報いを頭にもたらし、善人は善人として、その善い行いに応じて報いをもたらしてください。
24:あなたの民イスラエルが、あなたに罪を犯したために敵に打ち負かされたとき、立ち帰って御名をたたえ、この神殿で祈り、憐れみを乞うなら、
25:あなたは天からこれに耳を傾け、あなたの民イスラエルの罪を赦し、彼らとその先祖たちにお与えになった地に彼らを帰らせてください。
26:彼らがあなたに罪を犯したために天が閉ざされ、雨が降らなくなったとき、この所に向かって祈り、御名をたたえ、あなたからの懲らしめによって罪を離れて立ち帰るなら、
27:あなたは天にいまして耳を傾け、あなたの僕たち、あなたの民イスラエルの罪を赦し、彼らに歩むべき正しい道を教え、嗣業としてあなたの民に与えてくださった地に雨を降らせてください。
28:またこの地に飢饉が広がったり、疫病がはやったり、黒穂病、赤さび病、いなご、ばったが発生したり、敵がこの地で城門を封鎖したり、そのほかどんな災い、どんな難病が生じたときにも、
29:あなたの民イスラエルが、だれでも、災いと病苦を思い知って、この神殿に向かって手を伸ばして祈るなら、そのどの祈り、どの願いにも、
30:あなたはお住まいである天から耳を傾け、罪を赦してください。あなたは人間の心をご存じですから、どの人にもその人の歩んできたすべての道に従って報いてください。まことにあなただけが人の心をご存じです。
31:こうして彼らは、あなたがわたしたちの先祖にお与えになった地で生を営む間、絶えずあなたを畏れ敬い、あなたの道に従って歩み続けるでしょう。
32:更に、あなたの民イスラエルに属さない異国人が、大いなる御名、力強い御手、伸ばされた御腕を慕って、遠い国からこの神殿に来て祈るなら、
33:あなたはお住まいである天から耳を傾け、その異国人があなたに叫び求めることをすべてかなえてください。こうして、地上のすべての民は御名を知り、あなたの民イスラエルと同様にあなたを畏れ敬い、わたしの建てたこの神殿が御名をもって呼ばれていることを知るでしょう。
34:あなたの民が敵に向かって戦いに出て行くとき、あなたの遣わされる道にあって、あなたのお選びになったこの都、わたしが御名のために建てた神殿の方を向いてあなたに祈るなら、
35:あなたは天からその祈りと願いに耳を傾け、彼らを助けてください。
36:もし彼らがあなたに向かって罪を犯し、――罪を犯さない者は一人もいません――あなたが怒って彼らを敵の手に渡し、遠くあるいは近くの地に捕虜として引いて行かれたときに、
37:彼らが捕虜になっている地で自らを省み、その捕らわれの地であなたに立ち帰って憐れみを乞い、『わたしたちは罪を犯しました。不正を行い、悪に染まりました』と言い、
38:捕虜になっている地で、心を尽くし、魂を尽くしてあなたに立ち帰り、あなたが先祖にお与えになった地、あなたがお選びになった都、御名のためにわたしが建てた神殿の方を向いてあなたに祈るなら、
39:あなたはお住まいである天からその祈りと願いに耳を傾け、裁きを行い、あなたに罪を犯した民を赦してください。
40:わが神よ、この所でささげる祈りに目を向け、耳を傾けてください。
41:神なる主よ、立ち上がって、あなたの安息所にお入りください。あなた御自身も御力を示す神の箱も。神なる主よ、あなたに仕える祭司らは救いを衣としてまとい、あなたの慈しみに生きる人々は幸福に浸って喜び祝うでしょう。
42:神なる主よ、あなたが油注がれた人を見捨てず、あなたの僕ダビデに示された慈しみを覚えていてください。」

7章

1:ソロモンが祈り終えると、天から火が降って焼き尽くす献げ物といけにえをひとなめにし、主の栄光が神殿に満ちた。
2:祭司たちは、主の栄光が神殿に満ちたので、神殿に入ることができなかった。
3:イスラエル人は皆、火と主の栄光が神殿に降るのを見て、ひざまずいて敷石の上に顔を伏せ、礼拝して、「主は恵み深く、その慈しみはとこしえに」と主を賛美した。
4:王はすべての民と共に主の御前にいけにえをささげた。
5:ソロモン王は牛二万二千頭、羊十二万匹をささげた。こうして、王はすべての民と共に神殿を奉献した。
6:祭司たちはその務めに就き、レビ人たちも、主の楽器を持って立った。その楽器は、ダビデ王が、彼らの演奏によって賛美をささげるとき、「その慈しみはとこしえに」と主をたたえるために作ったものである。彼らの傍らで祭司たちはラッパを吹いた。すべてのイスラエル人が立っていた。
7:ソロモンは主の神殿の前にある庭の中央部を聖別して、そこで焼き尽くす献げ物と、和解の献げ物である動物の脂肪をささげた。ソロモンが造った青銅の祭壇に、焼き尽くす献げ物、穀物の献げ物、動物の脂肪を供え尽くすことができなかったからである。
8:そのときソロモンは、すべてのイスラエル人、レボ・ハマトからエジプトの川に至るまでの極めて大きな会衆と共に、七日間にわたって祭りを執り行った。
9:彼らは七日間、祭壇の奉献を行い、七日間、祭りを行って、八日目に聖なる集まりを開いた。
10:第七の月の二十三日に王は民を自分たちの天幕に帰らせた。彼らは、主がダビデとソロモンとその民イスラエルになさった恵みの御業を喜び祝い、心は晴れやかであった。
11:ソロモンは主の神殿と王宮を完成し、この神殿と王宮について、行おうと考えていたすべての事を成し遂げた。
12:その夜、主はソロモンに現れ、こう仰せになった。「わたしはあなたの祈りを聞き届け、この所を選び、いけにえのささげられるわたしの神殿とした。
13:わたしが天を閉じ、雨が降らなくなるとき、あるいはわたしがいなごに大地を食い荒らすよう命じるとき、あるいはわたしの民に疫病を送り込むとき、
14:もしわたしの名をもって呼ばれているわたしの民が、ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、わたしは天から耳を傾け、罪を赦し、彼らの大地をいやす。
15:今後この所でささげられる祈りに、わたしの目を向け、耳を傾ける。
16:今後、わたしはこの神殿を選んで聖別し、そこにわたしの名をいつまでもとどめる。わたしは絶えずこれに目を向け、心を寄せる。
17:もしあなたが、父ダビデが歩んだように、わたしの前を歩み、わたしがあなたに命じたことをことごとく行い、掟と定めを守るなら、
18:あなたの父ダビデと契約して、『あなたにはイスラエルを支配する者が断たれることはない』と言ったとおり、わたしはあなたの王座を存続させる。
19:もしあなたたちが背を向け、わたしの授けた掟と戒めを捨て、他の神々のもとに行って仕え、それにひれ伏すなら、
20:わたしは与えた土地から彼らを抜き取り、わたしの名のために聖別したこの神殿もわたしの前から投げ捨てる。こうしてそれは諸国民の中で物笑いと嘲りの的となる。
21:かつては壮大だったこの神殿に、そのそばを通る人は皆、驚き、『この地とこの神殿に、主はどうしてこのような仕打ちをされたのか』と問うであろう。
22:そのとき人々は、『それは彼らが自分たちの先祖をエジプトの地から導き出したその先祖の神、主を捨て、他の神々に付き従い、これにひれ伏し、仕えたからだ。それゆえ、主は彼らの上にこのすべての災いをもたらされたのだ』と答えるであろう。」

8章

1:ソロモンは、二十年を費やして主の神殿と王宮を建て終わると、
2:フラムから贈られた町を次々と再建し、そこにイスラエル人を住まわせた。
3:ソロモンは更にハマト・ツォバに向かい、これを攻略し、
4:荒れ野のタドモルと、ハマト地方の補給基地の町をすべて築き上げた。
5:彼はまた城壁で囲まれ、門扉とかんぬきで固められた砦の町、上ベト・ホロンと下ベト・ホロンを築き、
6:更にバアラトと、ソロモンに属する補給基地の町、戦車隊の町、騎兵隊の町をすべて築いた。ソロモンはエルサレム、レバノン、および彼の支配下にある全地域に、築こうと望んだ町々をすべて築き上げた。
7:イスラエル人ではない者、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の生き残りの民のすべて、
8:彼らの後、この地に生き残った子孫で、イスラエル人によって滅ぼされなかった者を、ソロモンは労役に服させ、今日に至っている。
9:しかしソロモンは、イスラエル人を一人も自分の工事のために奴隷としなかった。彼らは、戦士、精鋭部隊の長、戦車隊と騎兵隊の長であった。
10:ソロモン王の配置した監督は二百五十名で、人々の指揮をとった。
11:ソロモンはファラオの娘をダビデの町から、彼女のために建てた宮殿に移した。「わたしの妻はイスラエルの王ダビデの宮殿に住んではならない。そこは主の箱を迎え入れた聖なる所だ」と考えたからである。
12:そのころソロモンは、前廊の前に築いた主の祭壇の上で、焼き尽くす献げ物を主にささげた。
13:安息日、新月祭、および、年に三度の祝祭日、除酵祭、七週祭、仮庵祭に関してモーセが命じたように、日ごとの定めに従って献げ物をささげた。
14:更に彼は、父ダビデの授けた規定に従って、祭司たちを組に分けてその任務に就かせ、またレビ人たちをその任務に就かせて、日ごとの定めに従って祭司の傍らで賛美し奉仕させ、門衛たちもその組によってそれぞれその門に立たせた。神の人ダビデがそのように命じていたからである。
15:王が祭司とレビ人について命じたことは、宝物庫のことも含め、何事もおろそかにされなかった。
16:ソロモンの工事はすべて、主の神殿の定礎の日から、完成の日まで無事に遂行され、主の神殿は完全なものとなった。
17:そのころ、ソロモンは、エドムの地の海岸にあるエツヨン・ゲベルとエイラトに行った。
18:フラムも家臣たちに託して、船団と航海の心得のある者たちを送ってきた。彼らはソロモンの家臣たちと共にオフィルに行き、金四百五十キカルを手に入れ、ソロモン王のもとにもたらした。

9章

1:シェバの女王はソロモンの名声を聞き、難問をもってソロモンを試そうと、極めて大勢の随員を伴い、香料、多くの金、宝石をらくだに積んでエルサレムに来た。ソロモンのところに来ると、彼女はあらかじめ考えておいたすべての質問を浴びせたが、
2:ソロモンはそのすべてに解答を与えた。ソロモンに分からない事、答えられない事は何一つなかった。
3:シェバの女王は、ソロモンの知恵と彼の建てた宮殿を目の当たりにし、
4:また食卓の料理、居並ぶ彼の家臣、丁重にもてなす給仕たちとその装い、献酌官とその装い、それに王が主の神殿でささげる焼き尽くす献げ物を見て、息も止まるような思いであった。
5:女王は王に言った。「わたしが国で、あなたの御事績とあなたのお知恵について聞いていたことは、本当のことでした。
6:わたしは、ここに来て、自分の目で見るまでは、人の言うことを信じてはいませんでした。しかし、わたしに知らされていたことは大いなるお知恵の半分にも及ばず、あなたはうわさに聞いていたことをはるかに超えておられます。
7:あなたの臣民はなんと幸せなことでしょう。いつもあなたの前に立ってお知恵に接している家臣たちはなんと幸せなことでしょう。
8:あなたを王位につけられたあなたの神、主のための王とすることをお望みになったあなたの神、主はたたえられますように。あなたの神はイスラエルを愛して、とこしえに続くものとし、あなたをその上に王として立て、公正と正義を行わせられるからです。」
9:彼女は金百二十キカル、非常に多くの香料、宝石を王に贈ったが、このシェバの女王がソロモン王に贈ったような香料はかつてなかった。
10:また、オフィルから金を運んで来たヒラムの家臣たちとソロモンの家臣たちは、白檀や宝石も運んで来た。
11:王はその白檀で神殿と王宮の床板や、詠唱者のための竪琴や琴を作った。かつてユダの地でだれもこのようなものを見たことはなかった。
12:ソロモン王は、シェバの女王が王に贈った物に報いる品々以上に、女王の願うものは何でも望みのままに与えた。こうして女王とその一行は故国に向かって帰って行った。
13:ソロモンの歳入は金六百六十六キカル、
14:そのほかに隊商や商人の納める税金があり、アラビアのすべての王や地方総督もソロモン王に金銀を納めた。
15:ソロモン王は延金の大盾二百を作った。大盾一つにつき用いた延金は六百シェケルであった。
16:延金の小盾も三百作った。小盾一つにつき用いた金は三百シェケルであった。王はこれらの盾を「レバノンの森の家」に置いた。
17:王は更に象牙の大きな王座を作り、それを純金で覆った。
18:王座には六つの段があり、その王座に金の踏み台がつけられていた。また、座席の両側には肘掛けがあり、その脇に二頭の獅子が立っていた。
19:六つの段の左右にも十二頭の獅子が立っていた。これほどのものが作られた国はどこにもなかった。
20:ソロモン王の杯はすべて金、「レバノンの森の家」の器もすべて純金で出来ていた。ソロモンの時代には、銀は値打ちのないものと見なされていた。
21:王の船団はフラムの家臣たちと共にタルシシュへ航海した。三年に一度、タルシシュの船団は、金、銀、象牙、猿、ひひを積んで入港した。
22:ソロモン王は世界中の王の中で最も大いなる富と知恵を有し、
23:世界のすべての王が、神がソロモンの心にお授けになった知恵を聞くために、彼に拝謁を求めた。
24:彼らは、それぞれ贈り物として銀の器、金の器、衣類、武器、香料、馬とらばを毎年携えて来た。
25:ソロモンは馬と戦車のための厩舎四千、騎兵一万二千を有した。彼はそれを戦車隊の町々およびエルサレムの王のもとに配置した。
26:こうして彼はユーフラテス川からペリシテ人の地方、更にエジプトとの国境に至るまで、諸国の王をすべて支配下に置いた。
27:王はエルサレムで、銀を石のように、レバノン杉をシェフェラのいちじく桑のように大量に供給した。
28:馬はエジプトをはじめあらゆる国からソロモンのために輸入された。
29:ソロモンの他の事績は初期のことも後期のことも、『預言者ナタンの言葉』『シロの人アヒヤの預言』『ネバトの子ヤロブアムに関する先見者イエドの見た幻』に記されている。
30:ソロモンは、エルサレムで四十年間全イスラエルを治めた。
31:ソロモンは先祖と共に眠りにつき、父ダビデの町に葬られ、その子レハブアムがソロモンに代わって王となった。

10章

1:すべてのイスラエル人が王を立てるためにシケムに集まって来るというので、レハブアムもシケムに行った。
2:ネバトの子ヤロブアムは、ソロモン王を避けて逃亡した先のエジプトにいて、このことを聞き、エジプトから戻って来た。
3:ヤロブアムを呼びに使いが送られて来たので、彼もイスラエルのすべての人々と共に来て、レハブアムにこう言った。
4:「あなたの父上はわたしたちに苛酷な軛を負わせました。今、あなたの父上がわたしたちに課した苛酷な労働、重い軛を軽くしてください。そうすれば、わたしたちはあなたにお仕えいたします。」
5:彼が、「三日たってからまた来るがよい」と答えたので、民は立ち去った。
6:レハブアム王は、存命中の父ソロモンに仕えていた長老たちに相談した。「この民にどう答えたらよいと思うか。」
7:彼らは答えた。「もしあなたがこの民に優しい態度を示し、好意を示し、優しい言葉をかけるなら、彼らはいつまでもあなたに仕えるはずです。」
8:しかし、彼はこの長老たちの勧めを捨て、自分と共に育ち、自分に仕えている若者たちに相談した。
9:「我々はこの民に何と答えたらよいと思うか。彼らは父が課した軛を軽くしろと言ってきた。」
10:彼と共に育った若者たちは答えた。「あなたの父上が負わせた重い軛を軽くせよと言ってきた民に、こう告げなさい。『わたしの小指は父の腰より太い。
11:父がお前たちに重い軛を負わせたのだから、わたしは更にそれを重くする。父がお前たちを鞭で懲らしめたのだから、わたしはさそりで懲らしめる。』」
12:三日目にまた来るようにとの王の言葉に従って、三日目にヤロブアムとすべての民はレハブアムのところに来た。
13:王は彼らに厳しい回答を与えた。レハブアム王は長老たちの勧めを捨て、
14:若者たちの勧めに従って言った。「父がお前たちに重い軛を負わせたのだから、わたしは更にそれを重くする。父がお前たちを鞭で懲らしめたのだから、わたしはさそりで懲らしめる。」
15:王は民の願いを聞き入れなかった。こうなったのは神の計らいによる。主は、かつてシロのアヒヤを通してネバトの子ヤロブアムに告げられた御言葉をこうして実現された。
16:イスラエルのすべての人々は、王が耳を貸さないのを見て、王に言葉を返した。「ダビデの家に我々の受け継ぐ分が少しでもあろうか。エッサイの子と共にする嗣業はない。イスラエルよ、それぞれ自分の天幕に帰れ。ダビデよ、今後自分の家のことは自分で見るがよい。」こうして、イスラエルのすべての人々は自分の天幕に帰って行った。
17:レハブアムは、ただユダの町々に住むイスラエル人に対してのみ王であり続けた。
18:レハブアム王は労役の監督ハドラムを遣わしたが、イスラエルの人々は彼を石で打ち殺したため、レハブアム王は急いで戦車に乗り込み、エルサレムに逃げ帰った。
19:このようにイスラエルはダビデの家に背き、今日に至っている。

11章

1:レハブアムはエルサレムに帰ると、ユダとベニヤミンの家からえり抜きの戦士十八万を召集し、イスラエルに戦いを挑み、王国を奪還して自分のものにしようとした。
2:しかし、主の言葉が神の人シェマヤに臨んだ。
3:「ユダの王、ソロモンの子レハブアム、およびユダとベニヤミンにいるすべてのイスラエル人に言え。
4:『主はこう言われる。上って行くな。あなたたちの兄弟に戦いを挑むな。それぞれ自分の家に帰れ。こうなるように計らったのはわたしだ。』」彼らは主の言葉を聞き、ヤロブアムに向かって行くことなく帰って行った。
5:レハブアムはエルサレムにとどまり、ユダに砦の町々を建てた。
6:すなわち、ベツレヘム、エタム、テコア、
7:ベト・ツル、ソコ、アドラム、
8:ガト、マレシャ、ジフ、
9:アドライム、ラキシュ、アゼカ、
10:ツォルア、アヤロン、ヘブロンである。これらはユダとベニヤミンにあるもので、砦の町であった。
11:彼はこれらの砦を強くして、そこに長官を置き、食糧と油、ぶどう酒を蓄えた。
12:どの町も盾と槍を備え、非常に堅固なものとした。ユダとベニヤミンは彼のものとなった。
13:イスラエル中の祭司とレビ人は、そのすべての領土からレハブアムのもとに集まって来た。
14:レビ人が自分の牧草地と所有物を捨ててユダとエルサレムに来たのは、ヤロブアムとその子らが彼らを遠ざけ、主の祭司であることをやめさせたからである。
15:ヤロブアムは、聖なる高台、山羊の魔神、自ら造った子牛に仕える祭司を自分のために立てた。
16:またレビ人に続いて、イスラエルのすべての部族の中から、イスラエルの神、主を求めようと心を定めた者たちが、エルサレムに出て来て、先祖の神、主にいけにえをささげた。
17:彼らは三年間ユダの国を強くし、ソロモンの子レハブアムを支援した。彼らが三年の間ダビデとソロモンの道を歩んだからである。
18:レハブアムは、ダビデの子エリモトの娘マハラトを妻として迎えた。彼女の母はエッサイの子エリアブの娘アビハイルである。
19:彼女は男の子エウシュ、シェマルヤ、ザハムを産んだ。
20:その後、レハブアムはアブサロムの娘マアカを妻として迎え、彼女はアビヤ、アタイ、ジザ、シェロミトを産んだ。
21:レハブアムは十八人の妻と、六十人の側女を持っていたが、その妻と側女の中でアブサロムの娘マアカをことのほか愛した。二十八人の息子と六十人の娘をもうけたが、
22:レハブアムはマアカの子アビヤを頭として立て、兄弟たちの指導者として、王位を継がせようとした。
23:また彼は賢明に行動し、その息子たちの何人かをユダとベニヤミンの全土に、すなわちそのすべての砦の町々に配置して、豊富な食糧を彼らに与え、また大勢の嫁を彼らのために探し求めた。

12章

1:レハブアムは国が固まり、自らも力をつけると、すべてのイスラエル人と共に主の律法を捨てた。
2:レハブアム王の治世第五年に、エジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上って来た。彼らが主に背いたからである。
3:彼は戦車千二百両、騎兵六万を擁し、彼がエジプトから率いてきたリビア人、スキイム人、クシュ人の民は数えきれないほどであった。
4:彼はユダの砦の町を次々に陥れ、エルサレムにまで迫った。
5:預言者シェマヤが、シシャクのことでエルサレムに集まっているレハブアムとユダの将軍たちのところに来て言った。「主はこう言われる。『あなたたちはわたしを捨てた。わたしもあなたたちを捨て、シシャクの手に渡す。』」
6:イスラエルの将軍たちは王と共にへりくだって言った。「主は正しい。」
7:主は彼らがへりくだるのを御覧になった。主の言葉がシェマヤに臨んだ。「彼らがへりくだったので、わたしは彼らを滅ぼさず、間もなく彼らに救いを与える。わたしの怒りをシシャクの手によってエルサレムに注ぐことはしない。
8:ただし、彼らはシシャクに仕える者となり、わたしに仕えることと、地の王国に仕えることとの違いを知るようになる。」
9:エジプトの王シシャクはエルサレムに攻め上り、主の神殿と王宮の宝物を奪い取った。彼はすべてを奪い、ソロモンが作った金の盾も奪い取った。
10:レハブアム王は、その代わりに青銅の盾を作り、王宮の入り口を守る近衛兵の長たちの手に託した。
11:王が主の神殿に来る度ごとに、近衛兵たちは来てその盾を持ち、また近衛兵の詰め所に戻した。
12:王がへりくだったので、主の怒りは彼から離れ、彼が徹底的に滅ぼされることはなかった。ユダにも良い事があった。
13:レハブアム王はエルサレムで勢力を増し、国を支配した。レハブアムは四十一歳で王となり、十七年間エルサレムで王位にあった。エルサレムは、主が御名を置くためにイスラエルのすべての部族の中から選ばれた都であった。レハブアムの母の名はナアマと言い、アンモン人であった。
14:彼は心を定めて主を求めることをせず、悪を行った。
15:レハブアムの事績は、初期のことも後期のことも、『預言者シェマヤと先見者イドの言葉』に系図に従って記されている。レハブアムとヤロブアムの間には戦いが絶えなかった。
16:レハブアムは先祖と共に眠りにつき、ダビデの町に葬られた。その子アビヤがレハブアムに代わって王となった。

13章

1:ヤロブアム王の治世第十八年に、アビヤがユダの王となり、
2:エルサレムで三年間王位にあった。母は名をミカヤといい、ギブア出身のウリエルの娘であった。アビヤとヤロブアムの間にも戦いは続いた。
3:アビヤは四十万のえり抜きの戦士から成る軍隊をもって戦いに臨み、ヤロブアムも八十万のえり抜きの戦士をもって戦いに備えた。
4:アビヤは、エフライム山地のツェマライム山の上に立って言った。「ヤロブアムとイスラエルのすべての人々よ、わたしに耳を傾けよ。
5:イスラエルの神、主が、塩の契約をもって、イスラエルを治める王権をとこしえにダビデとその子孫に授けられたことを、あなたたちが知らないはずはない。
6:ダビデの子ソロモンに仕えていたネバトの子ヤロブアムは立ち上がって自分の主君に反逆し、
7:また命知らずのならず者が彼のもとに集まって、ソロモンの子レハブアムを圧迫した。レハブアムはというと、若すぎて気も弱く、彼らに立ち向かうことができなかった。
8:そして今あなたたちは、おびただしい軍勢と、ヤロブアムがあなたたちのために造って神とした金の子牛を頼みとして、ダビデの子孫の手にある主の王国に立ち向かおうとしている。
9:また主の祭司であるアロンの子らとレビ人を追い払い、諸国の民と同じように自分たちの祭司を立てているではないか。若い雄牛一頭と雄羊七匹をもって任職を願い出た者が皆、神でないものの祭司になっている。
10:しかし、我々にとっては、主が我々の神であり、我々は、その主を捨てはしない。主に仕える祭司はアロンの子孫とレビ人で、その使命を果たしている。
11:彼らは朝ごと夕ごとに主に焼き尽くす献げ物を燃やして煙にし、香草の香をたき、純金の聖卓にパンを供え、夕ごとに金の燭台とそのともし火皿に火をともす。我々は我々の神、主に対する務めを守っているが、あなたたちはそれを捨てた。
12:見よ、神が頭として我々と共におられ、その祭司たちは、あなたたちに対する進軍のラッパを吹き鳴らそうとしている。イスラエルの人々よ、勝ち目はないのだから、あなたたちの先祖の神、主と戦ってはならない。」
13:ヤロブアムは伏兵を迂回させて、相手の背後から襲わせようとした。こうして彼らはユダの人々の前方にいて、その後方には伏兵がいた。
14:ユダの人々が見回すと、前方にも後方にも戦いが迫っていたので、主に助けを求めて叫び、祭司たちはラッパを吹いた。
15:そしてユダの人々は鬨の声をあげた。ユダの人々が鬨の声をあげると、神はアビヤとユダの人々の目の前でヤロブアムとイスラエルのすべての兵を撃退された。
16:イスラエルの人々はユダの人々の前から逃げ去り、神は彼らをユダの人々の手に渡された。
17:アビヤとその軍隊は彼らを撃ち、大打撃を与えた。イスラエルのえり抜きの兵士五十万が剣で倒された。
18:このとき、イスラエルの人々は屈し、ユダの人々は勝ち誇った。先祖の神、主を頼みとしたからである。
19:アビヤはヤロブアムを追撃し、ベテルとその周辺の村落、エシャナとその周辺の村落、エフラインとその周辺の村落を獲得した。
20:ヤロブアムはアビヤの時代に二度と勢力を回復できず、主に撃たれて死んだ。
21:しかしアビヤは勢力を増し、十四人の妻を迎え、二十二人の息子と十六人の娘をもうけた。
22:アビヤの他の事績、その言動は、『預言者イドの解説』に記されている。
23:アビヤは先祖と共に眠りにつき、ダビデの町に葬られた。その子アサがアビヤに代わって王となった。その治世になって十年間、国は平穏であった。

14章

1:アサは、その神、主の目にかなう正しく善いことを行った。
2:彼は異国の祭壇と聖なる高台を取り除き、石柱を壊し、アシェラ像を砕き、
3:ユダの人々に先祖の神、主を求め、律法と戒めを実行するように命じた。
4:アサはまたユダのすべての町から聖なる高台と香炉台を取り除いた。こうして彼の統治の下で国は平穏であった。
5:主が安らぎを与えられたので、その時代この地は平穏で戦争がなかった。そこで彼は、ユダに砦の町を次々と築いた。
6:彼はユダの人々に言った。「我々はこれらの町を築き、城壁を巡らし、塔を建て、城門を造り、かんぬきを付けよう。我々は、我々の神、主を求めたので、この地を保有することができる。主を求めたからこそ、主は周囲の者たちから我々を守って、安らぎを与えてくださったのだ。」そこで彼らは建設を始め、完成した。
7:アサには盾と槍を携えるユダの兵三十万、小盾を携え、弓を引くベニヤミンの兵二十八万がいた。これらの者は皆、勇士であった。
8:クシュ人ゼラが百万の軍隊と戦車三百両を率いてマレシャまで出て来たとき、
9:アサはそれを迎えて出陣し、両軍はマレシャ近くのツェファタの谷で戦いの準備をした。
10:アサは彼の神、主を呼び求めて言った。「主よ、あなたは力のある者にも無力な者にも分け隔てなく助けを与えてくださいます。わたしたちの神、主よ、わたしたちを助けてください。わたしたちはあなたを頼みとし、あなたの御名によってこの大軍に向かってやって来ました。あなたはわたしたちの神、主であって、いかなる人間もあなたに対抗することができません。」
11:主はアサとユダの目の前でクシュ人を撃たれ、クシュ人は逃げた。
12:アサとその軍隊はゲラルまで追撃した。クシュ人は敗北を喫し、主とその陣営の前で打ち砕かれて倒れ、生き残った者は一人もなかった。持ち帰った戦利品は極めて多かった。
13:彼らはまたゲラルの周辺にあるすべての町をも撃った。主への恐れが彼らを襲ったからである。彼らはそのすべての町で略奪をほしいままにした。そこには奪い取れるものが多かったからである。
14:彼らは家畜の群れの天幕も打ち払い、多くの羊とらくだを捕獲して、エルサレムに帰った。

15章

1:オデドの子アザルヤに神の霊が臨んだ。
2:彼はアサの前に進み出て言った。「アサよ、すべてのユダとベニヤミンの人々よ、わたしに耳を傾けなさい。あなたたちが主と共にいるなら、主もあなたたちと共にいてくださる。もしあなたたちが主を求めるなら、主はあなたたちに御自分を示してくださる。しかし、もし主を捨てるなら、主もあなたたちを捨て去られる。
3:長い間、イスラエルにはまことの神もなく、教える祭司もなく、律法もなかった。
4:しかし彼らは、苦悩の中でイスラエルの神、主に立ち帰り、主を求めたので、主は彼らに御自分を示してくださった。
5:そのころこの地のすべての住民は甚だしい騒乱に巻き込まれ、安心して行き来することができなかった。
6:神があらゆる苦悩をもって混乱させられたので、国と国、町と町が互いに破壊し合ったのだ。
7:しかし、あなたたちは勇気を出しなさい。落胆してはならない。あなたたちの行いには、必ず報いがある。」
8:アサはこの言葉と預言者オデドの預言を聞いて、勇気を得、ユダとベニヤミンの全土から、またエフライムの山地で攻め取った町々から、忌むべき偶像を除き去り、主の前廊の前にある主の祭壇を新しくした。
9:こうして彼はユダとベニヤミンのすべての者およびエフライム、マナセ、シメオンから彼らのもとに身を寄せている寄留者たちを集めた。彼の神、主が彼と共におられるのを見て、イスラエルから多くの者が彼のもとに投降した。
10:アサの治世第十五年の第三の月に、彼らはエルサレムに集まった。
11:その日彼らは、分捕って引いて来た雄牛七百頭、羊七千匹を屠って主にささげた。
12:そして彼らは、心を尽くし、魂を尽くして先祖の神、主を求め、
13:子供も大人も、男も女も、イスラエルの神、主を求めない者はだれでも死刑に処せられるという契約を結んだ。
14:彼らは大声で叫び、ラッパと角笛を吹いて主に誓った。
15:ユダの皆がこの誓いを喜び祝った。皆が心の底から誓い、喜んで主を求めたからである。主は彼らに御自分をお示しになり、主は、周囲の者たちから彼らを守って、安らぎを与えられた。
16:更にアサ王は母マアカがアシェラの憎むべき像を造ったので、彼女を太后の位から退けた。アサはその憎むべき像を切り倒して砕き、キドロンの谷で焼き捨てた。
17:聖なる高台はイスラエルから取り除かれなかったが、アサの心はその生涯を通じて主と一つであった。
18:彼は父の聖別した物と自分の聖別した物、銀、金、祭具類を神殿に納めた。
19:アサの治世第三十五年まで戦争はなかった。

16章

1:アサの治世第三十六年に、イスラエルの王バシャはユダに攻め上って来て、ラマに砦を築き、ユダの王アサの動きを封じようとした。
2:アサは主の神殿と王宮の宝物庫から銀と金を取り出し、ダマスコに座を置くアラムの王ベン・ハダドに贈って言った。
3:「わたしとあなた、わたしの父とあなたの父との間には同盟が結ばれています。わたしはここに銀と金をあなたにお届けします。イスラエルの王バシャとの同盟を直ちに破棄し、彼をわたしから離れ去らせてください。」
4:ベン・ハダドはアサ王の願いを入れ、配下の軍の長たちをイスラエルの町々に送り、イヨン、ダン、アベル・マイムおよびナフタリの町のすべての補給基地を攻略させた。
5:バシャはこれを聞くと、ラマの構築をやめ、その作業を中止した。
6:アサ王はユダの人々を総動員して、バシャがラマ構築に用いた石材と木材を運んで来させ、それを用いて、ゲバとミツパに砦を築いた。
7:そのとき、先見者ハナニがユダの王アサのもとに来て言った。「あなたはアラム王を頼みとし、あなたの神、主を頼みとしなかった。それゆえ、アラムの王の軍隊はあなたの支配を離れる。
8:クシュ人とリビア人は非常に多くの戦車と騎兵を有する大きな軍隊であったが、あなたが主を頼みとしたので、主は彼らをあなたの手に渡されたではないか。
9:主は世界中至るところを見渡され、御自分と心を一つにする者を力づけようとしておられる。この事について、あなたは愚かだった。今後、あなたには戦争が続く。」
10:アサは先見者のこの言葉を聞いて怒り、彼を獄に投じた。この事で彼に対して激しく怒ったからである。またアサはそのとき、民の中のある者たちを虐待した。
11:アサの事績は、初期のことも後期のことも、『ユダとイスラエルの列王の書』に記されている。
12:アサはその治世第三十九年に足の病にかかり、その病は極めて重かった。その病の中にあっても、彼は主を求めず、医者に頼った。
13:アサはその治世第四十一年に先祖と共に眠りにつき、死んだ。
14:彼はダビデの町に掘っておいた墓に葬られた。人々は特別な技術で混ぜ合わせた種々の香料の満ちた棺に彼を納め、また彼のために非常に大きな火をたいた。

17章

1:アサに代わってその子ヨシャファトが王となり、イスラエルに対抗して勢力を増強した。
2:彼はユダの砦の町のすべてに軍隊を配置し、ユダの地と父アサが占領したエフライムの町々に守備隊を置いた。
3:主はヨシャファトと共におられた。父祖ダビデがかつて歩んだ道を彼も歩み、バアルを求めず、
4:先祖の神を求め、その戒めに従って歩み、イスラエルの人々のようには行わなかったからである。
5:主は彼の手にある王国を固め、ユダのすべての人々はヨシャファトに貢ぎ物を贈ったので、彼は大いに富み栄えた。
6:ヨシャファトの心は主の道にとどまって高められ、彼は聖なる高台とアシェラ像をユダから取り除いた。
7:彼はその治世第三年に、高官たちベン・ハイル、オバドヤ、ゼカルヤ、ネタンエル、ミカヤを遣わして、ユダの町々で教育を行わせた。
8:彼らと共にレビ人のシェマヤ、ネタンヤ、ゼバドヤ、アサエル、シェミラモト、ヨナタン、アドニヤ、トビヤとトブ・アドニヤが遣わされ、また祭司エリシャマとヨラムがこれらのレビ人に同行した。
9:彼らは主の律法の書を携え、ユダで教育を行い、ユダのすべての町を巡って、民の教化に当たった。
10:主への恐れがユダを取り巻く地域の国々を襲い、ヨシャファトと戦いを交えるものはなかった。
11:かえってペリシテ人のもとから貢ぎ物や税としての銀がヨシャファトに届けられ、アラビア人も雄羊七千七百匹、雄山羊七千七百匹を届けた。
12:ヨシャファトはますます勢力を増し、ユダに幾つもの城砦と補給基地の町を築き、
13:ユダの町々で大きな工事を進め、エルサレムには戦士、勇士を集めた。
14:家系に従って登録された彼らの数は次のとおりである。ユダには千人隊の長たちがいたが、隊長アドナは勇士三十万を率いていた。
15:次の隊長ヨハナンは二十八万を率いていた。
16:次に、主に進んで身をささげたジクリの子アマスヤは、勇士二十万を率いていた。
17:ベニヤミンからは、勇士エルヤダが弓と小盾を携える兵士二十万を率いていた。
18:次のヨザバドは武装兵十八万を率いていた。
19:彼らは王に奉仕する者であって、このほかに王がユダ全土の砦の町々に配置した者がいた。

18章

1:ヨシャファトは大いなる富と栄光に恵まれるとともに、アハブとも姻戚関係を結んだ。
2:数年たって、彼がサマリアにアハブを訪ねると、アハブは多くの羊と牛を屠って、彼とその一行をもてなし、ラモト・ギレアドに攻め上ろうと誘った。
3:イスラエルの王アハブはユダの王ヨシャファトに、「わたしと一緒にラモト・ギレアドに行っていただけませんか」と言った。彼は答えた。「戦うときには、わたしはあなたと一体、わたしの民はあなたの民と一体です。」
4:しかし同時にヨシャファトはイスラエルの王に、「まず主の言葉を求めてください」と言った。
5:イスラエルの王は、四百人の預言者を召集し、「我々はラモト・ギレアドに行って戦いを挑むべきか、それともわたしは控えるべきか」と問うた。彼らは、「攻め上ってください。神は、王の手にこれをお渡しになります」と答えた。
6:しかし、ヨシャファトが、「ここには、このほかに我々が尋ねることのできる主の預言者はいないのですか」と問うと、
7:イスラエルの王はヨシャファトに答えた。「もう一人、主の御旨を尋ねることのできる者がいます。しかし、彼はわたしに幸運を預言することがなく、いつも災いばかり預言するので、わたしは彼を憎んでいます。イムラの子ミカヤという者です。」ヨシャファトは、「王よ、そのように言ってはなりません」といさめた。
8:そこでイスラエルの王は一人の宦官を呼び、「イムラの子ミカヤを急いで連れて来るように」と言った。
9:イスラエルの王はユダの王ヨシャファトと共に、サマリアの城門の入り口にある麦打ち場でそれぞれ正装して王座に着いていた。預言者たちは皆、その前に出て預言していた。
10:ケナアナの子ツィドキヤが数本の鉄の角を作って、「主はこう言われる。これをもってアラムを突き、殲滅せよ」と言うと、
11:他の預言者たちも皆同様に預言して、「ラモト・ギレアドに攻め上って勝利を得てください。主は敵を王の手にお渡しになります」と言った。
12:ミカヤを呼びに行った使いの者は、ミカヤにこう言い含めた。「いいですか。預言者たちは口をそろえて、王に幸運を告げています。どうかあなたも、彼らと同じように語り、幸運を告げてください。」
13:ミカヤは、「主は生きておられる。わたしの神が言われる事をわたしは告げる」と言って、
14:王のもとに来た。王が、「ミカヤよ、我々はラモト・ギレアドに行って戦いを挑むべきか、それともわたしは控えるべきか、どちらだ」と問うと、彼は、「攻め上って勝利を勝ち取ってください。敵はあなたたちの手に渡されます」と答えた。
15:そこで王が彼に、「何度誓わせたら、お前は主の名によって真実だけをわたしに告げるようになるのか」と言うと、
16:彼は答えた。「イスラエル人が皆、羊飼いのいない羊のように山々に散っているのをわたしは見ました。主は、『彼らには主人がいない。彼らをそれぞれ自分の家に無事に帰らせよ』と言われました。」
17:イスラエルの王はヨシャファトに言った。「あなたに言ったとおりではありませんか。彼はわたしに幸運ではなく、災いばかり預言するのです。」
18:だが、ミカヤは続けた。「主の言葉をよく聞きなさい。わたしは主が御座に座し、天の万軍がその左右に立っているのを見ました。
19:主が、『イスラエルの王アハブを唆し、ラモト・ギレアドに攻め上らせて倒れさせるのは誰か』と言われると、あれこれと答える者がいましたが、
20:ある霊が進み出て主の御前に立ち、『わたしが彼を唆します』と申し出ました。主が、『どのようにそうするのか』とただされると、
21:その霊は、『わたしは行って、彼のすべての預言者たちの口を通して偽りを言う霊となります』と答えました。主は、『あなたは彼を唆して、必ず目的を達することができるにちがいない。行って、そのとおりにせよ』と言われました。
22:今御覧のとおり、主がこのあなたの預言者たちの口に偽りを言う霊を置かれました。主はあなたに災いを告げておられるのです。」
23:ケナアナの子ツィドキヤがミカヤに近づいて頬をなぐり、「主の霊はどのようにわたしを離れ去って、お前に語ったというのか」と言った。
24:「あなたが身を隠そうと部屋から部屋へと移る日にそれが分かる」とミカヤは答えた。
25:イスラエルの王は命じた。「ミカヤを捕らえ、町の長アモンと王子ヨアシュのもとに引いて行って、
26:言え。『王はこう言われる。この男を獄につなぎ、わたしが無事に帰るまで、わずかな食べ物とわずかな飲み物しか与えるな。』」
27:ミカヤは王に、「もしあなたが無事に帰って来ることができるなら、主はわたしを通して語られなかったはずです」と言い、「すべての民よ、あなたたちも聞いておくがよい」と言った。
28:イスラエルの王は、ユダの王ヨシャファトと共にラモト・ギレアドに攻め上った。
29:イスラエルの王はヨシャファトに、「わたしは変装して戦いに行きますが、あなたは御自分の服を着ていてください」と言い、イスラエルの王は変装し、彼らは戦いに行った。
30:アラムの王は配下の戦車隊の長たちに、「兵士や将軍には目もくれず、ただイスラエルの王をねらって戦え」と命じていた。
31:戦車隊の長たちはヨシャファトを見たとき、「これこそイスラエルの王にちがいない」と言い、彼を包囲して攻めかかろうとした。ヨシャファトが助けを求めて叫んだので、主は彼を助けられた。すなわち神は彼らをヨシャファトから引き離された。
32:戦車隊の長たちは、彼がイスラエルの王ではないと知り、追うのをやめて引き返した。
33:ところが一人の兵が何気なく弓を引き、イスラエルの王の鎧の胸当てと草摺りの間を射貫いた。王は御者に言った。「手綱を返して敵陣から脱出させてくれ。傷を負ってしまった。」
34:その日、戦いがますます激しくなったため、イスラエルの王はアラム軍を前にして夕方まで戦車の中に立っていたが、日の沈むころ息絶えた。

19章

1:ユダの王ヨシャファトは、無事にエルサレムの宮殿に帰った。
2:先見者ハナニの子イエフは、ヨシャファト王の前に進み出て言った。「悪人を助け、主を憎む者の友になるとは何事ですか。そのため、主の怒りがあなたに下ります。
3:しかし、あなたには良い事も見られます。あなたはこの地からアシェラ像を除き去り、揺るぎない心で神を求めました。」
4:ヨシャファトはエルサレムに住んでいたが、再び出かけて民の中をベエル・シェバからエフライムの山地まで巡り、彼らを先祖の神、主に立ち帰らせた。
5:彼はその地、すなわちユダのすべての砦の町に、それぞれの町の裁判官を立てた。
6:彼は裁判官に言った。「人のためではなく、主のために裁くのだから、自分が何をすべきか、よく考えなさい。裁きを下すとき、主があなたたちと共にいてくださるように。
7:今、主への恐れがあなたたちにあるように。注意深く裁きなさい。わたしたちの神、主のもとには不正も偏見も収賄もない。」
8:ヨシャファトは、エルサレムにおいても、主の裁きと紛争の解決のために、数名のレビ人、祭司、イスラエルの氏族の長を任命した。こうして彼らはエルサレムに帰った。
9:ヨシャファトは彼らにこう命じた。「主を畏れ敬い、忠実に、全き心をもって務めを果たせ。
10:あなたたちの兄弟が自分の住んでいる町からあなたたちに訴え出るときはいつでも、それが傷害事件であれ、律法、戒め、規定、掟に関する問題であれ、彼らが主に罪を犯して、怒りがあなたたちと兄弟たちの上に降りかかることのないように、彼らを戒めなさい。このように行えば、あなたたちが罪を犯すことはない。
11:主に関する事柄についてはすべて、祭司長アマルヤがあなたたちの上に立って責任を負い、王に関する事柄についてはすべて、ユダの家の指導者イシュマエルの子ゼバドヤが責任を負う。レビ人が書記としてあなたたちの補佐をする。勇気をもって行え。主が善を行う者と共にいてくださるように。」

20章

1:その後、モアブ人とアンモン人が、メウニム人の一部と共にヨシャファトに戦いを挑んだ。
2:人々が来て、ヨシャファトに、「死海のかなたのエドムから大軍が攻めて来て、ハツェツォン・タマル、つまりエン・ゲディにいます」と告げると、
3:ヨシャファトは恐れ、主を求めることを決意し、ユダのすべての人々に断食を呼びかけた。
4:ユダの人々は主を求めて集まった。ユダのすべての町から人々が主を求めて集まって来た。
5:ヨシャファトは主の神殿の新しい庭の前でユダおよびエルサレムの会衆の中に立ち、
6:こう祈った。「わたしたちの先祖の神、主よ。あなたは天にいます神、異邦人の国をすべて支配しておられる方ではありませんか。御手には力と勢いがあり、あなたに立ち向かうことのできる者はいません。
7:わたしたちの神よ、あなたはあなたの民イスラエルの前からこの地の先住民を追い払い、この地をあなたの友アブラハムの子孫にとこしえにお与えになったではありませんか。
8:彼らはここに住み、ここにあなたの御名のために聖所を建てて言いました。
9:もしわたしたちが裁きとして剣、疫病、飢饉などの災いに襲われたなら、この神殿にこそ御名がとどめられているのですから、この神殿の前で御前に立ち、苦悩の中からあなたに助けを求めて叫びます。あなたはそれに耳を傾け、救ってください。
10:今、アンモン人、モアブ人、セイルの山の人々を見てください。かつてイスラエル人がエジプトの地から出て来たとき、あなたは彼らの土地に入って行くことをお許しになりませんでした。そのためイスラエル人は、彼らを避け、滅ぼさずにおきました。
11:御覧のように、今彼らはわたしたちに報いて、あなたがわたしたちにお与えになったこの土地から、わたしたちを追い出そうと攻めて来たのです。
12:わたしたちの神よ、彼らをお裁きにならないのですか。わたしたちには、攻めて来るこの大軍を迎え撃つ力はなく、何をなすべきか分からず、ただあなたを仰ぐことしかできません。」
13:ユダのすべての人々がその幼子も、妻も、息子と共に主の御前に立っていた。
14:その会衆の中で、アサフの子孫のレビ人ヤハジエルに主の霊が臨んだ。ヤハジエルの父はゼカルヤ、祖父はベナヤ、更にエイエル、マタンヤとさかのぼる。
15:彼は言った。「すべてのユダよ、エルサレムの住民とヨシャファト王よ、よく聞け。主はあなたたちにこう言われる。『この大軍を前にしても恐れるな。おじけるな。これはあなたたちの戦いではなく、神の戦いである。
16:明日敵に向かって攻め下れ。見よ、彼らはツィツの坂を上って来る。あなたたちはエルエルの荒れ野の前、谷の出口で彼らに会う。
17:そのときあなたたちが戦う必要はない。堅く立って、主があなたたちを救うのを見よ。ユダとエルサレムの人々よ、恐れるな。おじけるな。明日敵に向かって出て行け。主が共にいる。』」
18:ヨシャファトは地にひれ伏し、すべてのユダとエルサレムの住民も主の御前に伏して、主を礼拝した。
19:レビ人のケハトの子孫とコラの子孫は立ち上がり、大声を張り上げてイスラエルの神、主を賛美した。
20:翌朝早く、彼らはテコアの荒れ野に向かって出て行った。出て行くとき、ヨシャファトは立って言った。「ユダとエルサレムの住民よ、聞け。あなたたちの神、主に信頼せよ。そうすればあなたたちは確かに生かされる。またその預言者に信頼せよ。そうすれば勝利を得ることができる。」
21:彼は民と協議したうえで、主に向かって歌をうたい、主の聖なる輝きをたたえる者たちを任命し、彼らに軍隊の先頭を進ませ、こう言わせた。「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに。」
22:彼らが喜びと賛美の歌をうたい始めると、主はユダに攻め込んできたアンモン人、モアブ人、セイルの山の人々に伏兵を向けられたので、彼らは敗れた。
23:するとアンモン人とモアブ人は、セイルの山の住民に立ち向かい、一人残らず討って、全滅させた。セイルの住民を絶やすと、彼らは互いに戦って自滅した。
24:ユダの人々が荒れ野を見渡せる所に来て、大軍のいた方を向くと、その地には死体が横たわり、生き残った者は一人もなかった。
25:ヨシャファトと軍隊は戦利品を奪うために来て、多くの家畜、装備、衣類、宝物を見つけ、運ぶことができなくなるまで取り去った。戦利品は多く、それを奪い去るのに三日かかった。
26:四日目に、彼らはベラカの谷に集まった。そこで主をたたえたので、その地名はベラカ(たたえること)の谷と呼ばれ、今日に至っている。
27:ユダとエルサレムの人々は皆、ヨシャファトを先頭にして喜び祝いながらエルサレムに帰った。主が敵を破って、彼らに喜びを与えられたからである。
28:彼らは琴と竪琴を奏で、ラッパを吹き鳴らして、エルサレムの主の神殿に入った。
29:主がイスラエルの敵と戦われたということを聞いて、地のすべての国がどこも神への恐れに襲われた。
30:ヨシャファトの王国は平穏で、神は、周囲の者たちから彼を守って、安らぎを与えられた。
31:ヨシャファトは三十五歳で王となり、ユダを治めた。彼は二十五年間エルサレムで王位にあった。その母は名をアズバと言い、シルヒの娘であった。
32:彼は父アサの道を歩み、それを離れず、主の目にかなう正しいことを行った。
33:しかし、聖なる高台は取り除かなかった。民はまだ先祖の神に揺るぎない心を向けてはいなかった。
34:ヨシャファトの他の事績は、初期のことも後期のことも、『ハナニの子イエフの言葉』に記されている。これは『イスラエルの列王の書』にも載せられている。
35:その後、ユダの王ヨシャファトはイスラエルの王アハズヤと協定を結んだ。この王は悪を行った。
36:彼らはタルシシュ行きの船団を造るために協定を結び、エツヨン・ゲベルで船団を造った。
37:そのとき、マレシャ出身のドダワフの子エリエゼルがヨシャファトに向かってこう預言した。「アハズヤと協定を結んだため、主はあなたの事業を打ち壊される。」こうして船は難破し、タルシシュに行くことは妨げられた。

21章

1:ヨシャファトは先祖と共に眠りにつき、先祖と共にダビデの町に葬られた。その子ヨラムがヨシャファトに代わって王となった。
2:彼には兄弟があった。ヨシャファトの子のアザルヤ、エヒエル、ゼカルヤ、アザルヤ、ミカエル、シェファトヤである。彼らは皆、イスラエルの王ヨシャファトの子である。
3:父は彼らにユダの砦の町と共に銀や金など高価な品々を豊富に与えた。ヨラムが長子であったので、ユダの王位は彼に譲った。
4:ところが、ヨラムは父の国を支配下に置いて勢力を増すと、自分の兄弟のすべてと、イスラエルの高官のうち何人かを剣にかけて殺した。
5:ヨラムは三十二歳で王となり、八年間エルサレムで王位にあった。
6:彼はアハブの娘を妻としていたので、アハブの家が行ったように、イスラエルの王たちの道を歩み、主の目に悪とされることを行った。
7:しかし主は、ダビデと結んだ契約のゆえに、ダビデの家を滅ぼそうとはされなかった。主は、ダビデとその子孫に絶えずともし火を与えると約束されたからである。
8:ヨラムの治世に、エドムがユダに反旗を翻してその支配から脱し、自分たちの王を立てた。
9:ヨラムは将軍たちと共に全戦車隊を率いて進み、夜襲を試みて、自分を包囲するエドム兵とその戦車隊の長たちを打ち破った。
10:だが、エドムはユダに反旗を翻してその支配から脱し、今日に至っている。そのころ、同時にリブナがユダに反旗を翻してその支配から脱した。ヨラムが先祖の神、主を捨てたからである。
11:ヨラムはユダの山々に聖なる高台を造り、エルサレムの住民に淫行を行わせ、ユダの人々を堕落させた。
12:次のような一通の手紙が預言者エリヤから彼のもとに届いた。「あなたの父祖ダビデの神、主はこう言われる。『あなたは父ヨシャファトの道、ユダの王アサの道を歩まず、
13:イスラエルの諸王の道を歩み、アハブの家が淫行を行わせたように、ユダとエルサレムの住民に淫行を行わせ、またあなたの父の家の者、あなたよりも優れた兄弟たちを殺した。
14:それゆえ、主は大きな災いをもって、あなたの民、あなたの子たち、妻たち、すべての財産を打つ。
15:またあなた自身、悪質な内臓の病にかかり、それが日に日に重くなり、ついに内臓が外に出るようになる。』」
16:主は、クシュ人の近くに住んでいたペリシテ人とアラブ人のヨラムに対する敵意をあおられた。
17:彼らはユダに攻め上って突き進み、王宮で見つかったすべての財宝と、王子や王妃たちを奪い去った。そのため、ヨラムには最年少の子ヨアハズしか残されなかった。
18:その後、主は彼の腹を不治の病で打たれた。
19:来る日も来る日も苦しみ、二年ばかり後には、その病のために内臓が出るようになり、彼はひどい苦しみにあえぎながら死んだ。民は、その先祖のために火をたいたようには、彼のために火をたくことをしなかった。
20:彼は三十二歳で王となり、八年間エルサレムで王位にあったが、惜しまれることなく、世を去った。その遺体はダビデの町に葬られたが、王の墓には納められなかった。

22章

1:エルサレムの住民は、ヨラムの最年少の子アハズヤを彼の代わりに王とした。アラブ人と共に陣営に攻め込んできた部隊によって年上のすべての王子が殺されてしまったからである。こうして、ユダの王ヨラムの子アハズヤが王となった。
2:アハズヤは四十二歳で王となり、一年間エルサレムで王位にあった。その母は名をアタルヤといい、オムリの孫娘であった。
3:この母が悪い勧めを与えたので、彼もアハブの家の道を歩んだ。
4:彼はアハブの家と同じように主の目に悪とされることを行った。父の死後、アハブの家の者が顧問となって彼を滅びに至らせたのである。
5:アハズヤは彼らの勧めによって、イスラエルの王、アハブの子ヨラムと共にアラムの王ハザエルと戦うため、ラモト・ギレアドに行った。しかし、アラム兵がヨラムに傷を負わせた。
6:ヨラム王は、アラムの王ハザエルとのラマにおける戦いで負った傷をいやすため、イズレエルに戻った。ユダの王、ヨラムの子アハズヤは、病床にあるアハブの子ヨラムを見舞うため、イズレエルに下って行った。
7:――アハズヤがヨラムを訪れることによって滅ぶに至ったのは神による。――彼はそこに着くと、ニムシの子イエフのもとにヨラムと共に出かけた。イエフは、アハブの家を絶つために主が油を注がれた者である。
8:イエフがアハブの家に裁きを行うとき、彼はアハズヤに仕えるユダの高官とアハズヤの兄弟の子らを見つけて殺した。
9:更にアハズヤを捜し求めていたところ、人々はサマリアに潜んでいるアハズヤを捕らえ、イエフのもとに連れて来て、その命を絶った。彼らは、「これは心を尽くして主を求めたヨシャファトの子なのだ」と言って、彼を葬った。こうして、アハズヤの家には国を治めることのできる者はいなくなった。
10:アハズヤの母アタルヤは息子の死んだのを見て、直ちにユダの家の王族をすべて滅ぼそうとした。
11:しかし、王女ヨシェバがアハズヤの子ヨアシュを抱き、殺されようとしている王子たちの中からひそかに連れ出し、乳母と共に寝具の部屋に入れておいた。祭司ヨヤダの妻であり、アハズヤの妹である、ヨラム王の娘ヨシェバは、ヨアシュをアタルヤからかくまい、彼は殺されずに済んだ。
12:こうして、アタルヤが国を支配していた六年の間、ヨアシュは彼らと共に神殿の中に隠れていた。

23章

1:七年目に、ヨヤダは決意を固め、百人隊の長たちエロハムの子アザルヤ、ヨハナンの子イシュマエル、オベドの子アザルヤ、アダヤの子マアセヤ、ジクリの子エリシャファトを連れて来て、彼らと契約を結んだ。
2:彼らはユダを行き巡り、ユダのすべての町からレビ人とイスラエルの氏族の長を集めてエルサレムに帰って来た。
3:全会衆が神殿の中で王と契約を結ぶと、ヨヤダは彼らに言った。「見よ、王の子を。主がダビデの子孫について言われた言葉に従って、彼が王となる。
4:あなたたちがなすべきことはこれである。あなたたちのうち、祭司もレビ人も、安息日が出番に当たる者の三分の一は門衛となり、
5:三分の一は王宮の中に、三分の一は礎の門にいなければならない。民は皆、主の神殿の庭にとどまれ。
6:祭司と奉仕に当たるレビ人以外は、だれも神殿に入ってはならない。彼らは聖別されているので入ることができる。民は皆、主の戒めを守らなければならない。
7:レビ人はおのおの武器を携え、王の周囲を固めなければならない。神殿に入る者は殺さなければならない。王が入るときも、出るときも、王と行動を共にせよ。」
8:レビ人とすべてのユダの人々は、すべて祭司ヨヤダが命じたとおり行い、おのおの安息日が出番に当たる部下と非番に当たる部下を連れて来た。祭司ヨヤダが組分けを解かなかったからである。
9:祭司ヨヤダは神殿に納められているダビデ王の槍と大盾と小盾を百人隊の長たちに渡し、
10:すべての民にはおのおの手に投げ槍を持たせ、祭壇と神殿を中心に神殿の南の端から北の端まで王の周囲を固めさせた。
11:そこで彼らは王子を連れて現れ、彼に冠をかぶらせ、掟の書を渡して、彼を王とした。ヨヤダとその息子たちは彼に油を注いで、「王万歳」と叫んだ。
12:アタルヤは民が走りながら王をたたえる声を聞き、主の神殿の民のところに行った。
13:彼女が見ると、入り口の柱の傍らに王が立ち、そのそばに将軍たちと吹奏隊が立ち並び、また国の民は皆、喜び祝ってラッパを吹き鳴らし、詠唱者たちは楽器を奏で、賛美の先導を行っていた。アタルヤは衣を裂いて、「謀反、謀反」と叫んだ。
14:祭司ヨヤダは、軍を指揮する百人隊の長たちを呼び出して、「彼女を隊列の間から外に出せ。彼女について行こうとする者は剣にかけて殺せ」と命じた。祭司が、「彼女を主の神殿で殺してはならない」と言ったからである。
15:彼らはアタルヤを捕らえて、王宮の馬の門の入り口まで連れて行き、そこで彼女を殺した。
16:ヨヤダは、自分とすべての民と王との間に、主の民となる契約を結んだ。
17:すべての民はバアルの神殿に行き、それを祭壇と共に破壊し、像を打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。
18:祭司ヨヤダは主の神殿の監督を祭司とレビ人にゆだねた。彼らは、ダビデの指示に基づく祝いの歌をもって、モーセの律法に記されているとおり、主に焼き尽くす献げ物をささげるために、ダビデが神殿に配置した者たちである。
19:またヨヤダは主の神殿の門に門衛を立て、いかなる汚れであれ、汚れのある者は入れないようにした。
20:更に彼は百人隊の長、貴族、民の支配者および国の民全員を率いて、王を主の神殿から連れ下った。彼らは上の門を通って王宮に入り、王を王座につけた。
21:こうして、国の民は皆喜び祝った。アタルヤが剣で殺された後、町は平穏であった。

24章

1:ヨアシュは七歳で王となり、四十年間エルサレムで王位にあった。その母は名をツィブヤといい、ベエル・シェバの出身であった。
2:ヨアシュは祭司ヨヤダの生きている間は主の目にかなう正しいことを行った。
3:ヨヤダは二人の妻を彼にめとらせ、彼らの間に息子や娘が生まれた。
4:その後、ヨアシュは主の神殿の修復に意欲を示し、
5:祭司とレビ人を集めて言った。「ユダの町々に出かけて行って、あなたたちの神の神殿を毎年修理するため、すべてのイスラエル人から資金を集めよ。速やかに取りかかれ。」しかし、レビ人たちは速やかに取りかからなかった。
6:そこで王は祭司長ヨヤダを呼んで言った。「なぜあなたはレビ人に要求し、主の僕モーセとイスラエルの会衆が、掟の幕屋のために定めた税をユダとエルサレムから徴収しないのか。」
7:悪女アタルヤとその子たちが神殿を損い、主の神殿の聖なる物もすべてバアルのものとしていた。
8:王は命令を出して一つの箱を作らせ、主の神殿の門の外に置かせた。
9:そして、神の僕モーセが荒れ野でイスラエルに対して定めた税を主に納めるように、ユダとエルサレムに呼びかけさせた。
10:高官も民も皆喜んで持って来て、溢れるまで箱に投げ入れた。
11:その箱がレビ人によって運び込まれ、王の監査にかけられるとき、献金がたまっているのが認められると、王の書記官と祭司長の代表が来て箱を空け、また持って行って元の場所に戻しておいた。毎日このようにして、彼らは多くの献金を集めた。
12:王とヨヤダは、その献金を主の神殿の工事の担当者たちに渡した。彼らは神殿を修復するために石工と大工を雇い、また神殿を修理するために鉄と青銅の職人を雇った。
13:工事の担当者たちはそのように行い、彼らの働きによって修理の作業は進んだ。彼らは神殿を元の状態にし、また補強した。
14:作業が終わると、彼らは残った献金を王とヨヤダに差し出した。これをもって儀式や焼き尽くす献げ物のための祭具、盃、金と銀の祭具など、主の神殿の祭具類が作られた。ヨヤダの生きている間、主の神殿では焼き尽くす献げ物が絶えずささげられた。
15:ヨヤダは年老い、長寿を全うして死んだ。死んだとき、彼は百三十歳であった。
16:その遺体はダビデの町に諸王と共に葬られた。彼はイスラエルにおいて神とその神殿のために著しい貢献をしたからである。
17:ヨヤダの死後、ユダの高官たちが王のもとに来て、ひれ伏した。そのとき、王は彼らの言うことを聞き入れた。
18:彼らは先祖の神、主の神殿を捨て、アシェラと偶像に仕えた。この罪悪のゆえに、神の怒りがユダとエルサレムに下った。
19:彼らを主に立ち帰らせるため、預言者が次々と遣わされた。しかし、彼らは戒められても耳を貸さなかった。
20:神の霊が祭司ヨヤダの子ゼカルヤを捕らえた。彼は民に向かって立ち、語った。「神はこう言われる。『なぜあなたたちは主の戒めを破るのか。あなたたちは栄えない。あなたたちが主を捨てたから、主もあなたたちを捨てる。』」
21:ところが彼らは共謀し、王の命令により、主の神殿の庭でゼカルヤを石で打ち殺した。
22:ヨアシュ王も、彼の父ヨヤダから寄せられた慈しみを顧みず、その息子を殺した。ゼカルヤは、死に際して言った。「主がこれを御覧になり、責任を追及してくださいますように。」
23:年が改まるころ、アラムの軍隊がヨアシュに向かって攻め上った。彼らはユダとエルサレムに攻めて来て、民の中の高官をすべて殺し、戦利品をことごとくダマスコの王のもとに送った。
24:攻めて来たアラム軍の兵士は少数だったが、ユダとエルサレムの人々が先祖の神、主を捨てたので、主は極めて大きな軍隊をアラム軍の手に渡された。こうして彼らはヨアシュに裁きを行った。
25:彼らがヨアシュに重傷を負わせて去ると、家臣たちは、祭司ヨヤダの息子の血のゆえに、共謀し、ヨアシュを寝床で殺した。彼は死んで、ダビデの町に葬られたが、王の墓には葬られなかった。
26:共謀者は、アンモンの女シムアトの子ザバドと、モアブの女シムリトの子ヨザバドであった。
27:ヨアシュの王子たち、王に向けられた数々の託宣、それに神殿の修復については、『列王の書の解説』に記されている。その子アマツヤがヨアシュに代わって王となった。

25章

1:アマツヤは二十五歳で王となり、二十九年間エルサレムで王位にあった。その母は名をヨアダンといい、エルサレムの出身であった。
2:彼は主の目にかなう正しいことを行ったが、心からそうしたのではなかった。
3:彼は国を掌握すると、父ヨアシュ王を殺害した家臣たちを殺した。
4:しかし、モーセの書、律法に記されているところに従い、その子供たちは殺さなかった。主がこう命じておられるからである。「父は子のゆえに死に定められず、子は父のゆえに死に定められない。人は、それぞれ自分の罪のゆえに死に定められる。」
5:アマツヤはユダの人々を召集し、ユダ族とベニヤミン族のすべての人々を家系に従って千人隊の長および百人隊の長のもとに配属した。二十歳以上の者の数を調べたところ、槍と盾を携える戦闘員として三十万の若者がいることが分かった。
6:また彼は銀百キカルを費やして、イスラエルから勇士十万を雇った。
7:ところが、ある神の人が来て言った。「王よ、イスラエルの軍隊を同行させてはなりません。主はイスラエルの者、すなわちどのエフライム人とも共においでにならないからです。
8:もし行くなら、単独で行って勇敢に戦いなさい。そうでなければ、神は敵の前であなたを挫かれます。神には力があって、助けることも、挫くこともおできになります。」
9:アマツヤは神の人に言った。「イスラエルの部隊に払った百キカルはどうしたらよいのか。」神の人は答えた。「主はそれより多くのものを与えることがおできになります。」
10:そこでアマツヤはエフライムから来た部隊を、彼らの地に帰らせるために分離した。そのため、彼らはユダに対して激しく憤り、怒りに燃えながら彼らの地に帰って行った。
11:しかしアマツヤは、勇気を奮い起こし、自分の軍隊を率いて塩の谷まで進み、一万のセイル兵を打ち倒した。
12:またユダの兵はほかに一万の敵兵を生け捕りにし、岩山の頂に引いて行き、彼らをその岩山の頂から突き落としたので、皆砕かれて死んだ。
13:他方、アマツヤが戦いに同行させずに送り返した部隊の兵士らは、サマリアからベト・ホロンまでのユダの町々を荒らしまわり、三千人の住民を打ち殺し、略奪をほしいままにした。
14:アマツヤはエドム人の討伐から帰った後、セイル人の神々を導入し、これを自分の神とし、その前にひれ伏して香をたいた。
15:主はそのアマツヤに対して怒りに燃え、預言者を遣わされた。彼は王に言った。「あなたの手から自分の民を救えなかった神々を、どうしてあなたは求めるのか。」
16:彼がこう告げているときに、アマツヤは言った。「お前を王の顧問にした覚えはない。もうよい。打ち殺されてもよいのか。」預言者は語るのをやめたが、こう付け加えた。「あなたはこのような事を行い、またわたしの忠告も聞かない。それゆえ神はあなたを滅ぼそうと決められたことが、分かりました。」
17:ユダの王アマツヤは、協議の結果、イスラエルの王、イエフの孫でヨアハズの子であるヨアシュに使者を遣わし、「来るがよい、戦いを交えよう」と言わせた。
18:だが、イスラエルの王ヨアシュは、ユダの王アマツヤに次のような返事を送った。「レバノンのあざみがレバノンの杉に、『あなたの娘をわたしの息子の嫁にくれ』と申し込んだが、レバノンの野の獣が通りかかって、あざみを踏み倒してしまった。
19:あなたはエドムを打ち破ったと言って、思い上がり、うぬぼれている。今は家にとどまっているがよい。なぜ挑発して災いを招き、あなただけでなく、ユダも一緒に倒れるようなことをするのか。」
20:しかしアマツヤはこれを聞き入れなかった。それは神の計らいによる。ユダの人々がエドムの神々を求めたため、神は彼らを敵の手に渡そうとされたのである。
21:イスラエルの王ヨアシュは上って来て、ユダのベト・シェメシュでユダの王アマツヤと戦いを交えた。
22:その結果、ユダはイスラエルに惨敗し、兵はおのおのその天幕に逃げ帰ってしまった。
23:イスラエルの王ヨアシュはベト・シェメシュで、ヨアハズの孫でヨアシュの子であるユダの王アマツヤを捕らえ、エルサレムに引いて来て、その城壁をエフライムの門から角の門まで四百アンマにわたって破壊した。
24:また彼は、オベド・エドムの管理下にあった、神殿のすべての金、銀、祭具、更に王宮の宝物および人質を取って、サマリアに凱旋した。
25:ユダの王、ヨアシュの子アマツヤは、イスラエルの王、ヨアハズの子ヨアシュの死後、なお十五年生き永らえた。
26:アマツヤの他の事績は、初期のことも後期のことも、『ユダとイスラエルの列王の書』に記されている。
27:アマツヤが主に背を向けた時から、彼に対する謀反がエルサレムで企てられたため、彼はラキシュに逃れたが、ラキシュに送られた追っ手によって殺された。
28:その遺体は馬に乗せて運ばれ、ユダの町に先祖と共に葬られた。

26章

1:ユダのすべての民は、当時十六歳であったウジヤを選び、父アマツヤの代わりに王とした。
2:アマツヤが先祖と共に眠りについた後、彼はエイラトの町を再建して、ユダに復帰させた。
3:ウジヤは十六歳で王となり、五十二年間エルサレムで王位にあった。その母は名をエコルヤといい、エルサレムの出身であった。
4:彼は、父アマツヤが行ったように、主の目にかなう正しいことをことごとく行った。
5:神を畏れ敬うことを諭したゼカルヤが生きている間は、彼も主を求めるように努めた。彼が主を求めている間、神は彼を繁栄させられた。
6:彼は出て行ってペリシテ人と戦い、ガトの城壁、ヤブネの城壁、アシュドドの城壁を破壊し、アシュドドをはじめペリシテ人の地方に幾つかの町を建てた。
7:神は彼を助け、ペリシテ人のみならずグル・バアルに住むアラブ人やメウニム人にも立ち向かわせられた。
8:アンモン人もウジヤに貢ぎ物を献上した。ウジヤの勢いはこの上もなく増大し、その名声はエジプトに近い地方にまで届いた。
9:ウジヤはエルサレムの角の門、谷の門、城壁の角に塔を築き、補強した。
10:彼はまた荒れ野にも多くの塔を築き、井戸を掘った。シェフェラや平地には多数の家畜が飼われ、山地や肥沃な地には農夫やぶどう作りがいた。ウジヤが農耕を愛したからである。
11:ウジヤは戦いに備えて訓練された軍隊を持っていた。それは書記官エイエル、官吏マアセヤによる名簿に従って部隊に配属され、王の高官ハナンヤの指揮下に置かれていた。
12:勇士である家長の総数は二千六百人、
13:その配下に、戦いに強い三十万七千五百人の軍隊があり、王の助けとなって敵に立ち向かった。
14:ウジヤは全軍のために盾、槍、兜、鎧、弓、投石用の石を準備した。
15:彼はまたエルサレムで技術者により考案された装置を造り、塔や城壁の角の上に置いて、矢や大きな石を放てるようにした。ウジヤは、神の驚くべき助けを得て勢力ある者となり、その名声は遠くにまで及んだ。
16:ところが、彼は勢力を増すとともに思い上がって堕落し、自分の神、主に背いた。彼は主の神殿に入り、香の祭壇の上で香をたこうとした。
17:祭司アザルヤは主の勇敢な祭司八十人と共に後から入り、
18:ウジヤ王の前に立ちはだかって言った。「ウジヤよ、あなたは主に香をたくことができない。香をたくのは聖別されたアロンの子孫、祭司である。この聖所から出て行きなさい。あなたは主に背いたのだ。主なる神からそのような栄誉を受ける資格はあなたにはない。」
19:香をたこうとして香炉を手にしていたウジヤは怒り始めたが、祭司たちに怒りをぶつけている間に重い皮膚病がその額に現れた。それは主の神殿の中にいた祭司たちの目の前、香の祭壇の前の出来事だった。
20:祭司長アザルヤと祭司たちは皆彼の方を向いて、その額に重い皮膚病ができているのを認め、直ちに去らせた。彼自身も急いで出て行った。主が彼を打たれたからである。
21:ウジヤ王は死ぬ日までその重い皮膚病に悩まされ、重い皮膚病のために隔離された家に住んだ。主の神殿に近づくことを禁じられたからである。その子ヨタムが王宮を取りしきり、国の民を治めた。
22:ウジヤの他の事績は、初期のことも後期のことも、預言者、アモツの子イザヤが書き残している。
23:ウジヤは先祖と共に眠りにつき、その遺体は、重い皮膚病に冒されていたということで、王の墓の近くの野に先祖と共に葬られた。その子ヨタムがウジヤに代わって王となった。

27章

1:ヨタムは二十五歳で王となり、十六年間エルサレムで王位にあった。その母は名をエルシャといい、ツァドクの娘であった。
2:彼は、父ウジヤが行ったように、主の目にかなう正しいことをことごとく行った。ただ主の神殿に入ることだけはしなかった。民は依然として堕落していた。
3:彼は主の神殿の上の門を建て、オフェルの城壁に多くの工事を施し、
4:ユダの山地に町を築き、森の中に城砦や塔を築いた。
5:彼はアンモン人の王と戦ってこれを征服した。その年アンモン人は銀百キカル、小麦一万コル、大麦一万コルを献上してきた。アンモン人は二年目も、三年目もそうした。
6:ヨタムは主なる神の御前をたゆまず歩き続けたので、勢力を増すことができた。
7:ヨタムの他の事績は、そのすべての戦いも、行動も、『イスラエルとユダの列王の書』に記されている。
8:彼は二十五歳で王となり、十六年間エルサレムで王位にあった。
9:ヨタムは先祖と共に眠りにつき、ダビデの町に葬られた。その子アハズがヨタムに代わって王となった。

28章

1:アハズは二十歳で王となり、十六年間エルサレムで王位にあった。彼は父祖ダビデと異なり、主の目にかなう正しいことを行わなかった。
2:彼はイスラエルの王たちの道を歩み、その上バアルの神々のために像を鋳て造った。
3:主がイスラエルの人々の前から追い払われた諸国の民の忌むべき慣習に倣って、ベン・ヒノムの谷で香をたき、自分の子らに火の中を通らせた。
4:また聖なる高台、丘の上、すべての茂った木の下でいけにえをささげ、香をたいた。
5:それゆえ、その神、主はアハズをアラムの王の手に渡された。アラム軍は彼を打ち、多くの者を捕虜にしてダマスコに連れ去った。アハズはイスラエルの王の手にも渡され、大きな損害を被った。
6:レマルヤの子ペカは、ユダで一日のうちに十二万人を打ち殺した。すべて勇士であった。彼らが先祖の神、主を捨てたからである。
7:エフライムの勇者ジクリは、王子マアセヤ、侍従長アズリカムと王の代行エルカナを殺した。
8:イスラエルの人々はその兄弟の国から婦女子二十万人を捕虜とし、大量の戦利品を奪って、サマリアに運び去った。
9:ところが、その名をオデドという主の預言者がいて、サマリアに凱旋した軍隊の前に進み出て言った。「見よ、あなたたちの先祖の神、主はユダに対して怒りに燃え、彼らをあなたたちの手に渡された。あなたたちも、天に届くほどの憤りをもって彼らを殺した。
10:しかし今、あなたたちはユダとエルサレムの人々を服従させ、自分たちの男女の奴隷にしようと思っている。しかし、あなたたち自身はあなたたちの神、主によって罪に問われずに済むだろうか。
11:今、わたしの言うことを聞き、兄弟の国から連れて来た捕虜を帰しなさい。主はあなたたちに対して激しく怒っておられる。」
12:直ちにエフライム人の頭たちヨハナンの子アザルヤ、メシレモトの子ベレクヤ、シャルムの子エヒズキヤ、ハドライの子アマサは、戦いから帰って来た兵に向かって、
13:言った。「捕虜をここに連れて来てはならない。我々は主に対して咎を負っている。あなたたちは我々の罪と咎をいっそう重くしようとしている。我々の咎は既に重く、主はイスラエルに対して激しく怒っておられる。」
14:そこで兵士たちは、将軍たちとすべての会衆の前で、捕虜と戦利品を放棄した。
15:そこで前に名を挙げられた人々が立って捕虜を引き取り、裸の者があれば戦利品の中から衣服を取って着せた。彼らは捕虜に衣服を着せ、履物を与え、飲食させ、油を注ぎ、弱った者がいればろばに乗せ、彼らをしゅろの町エリコにいるその兄弟たちのもとに送り届けて、サマリアへ帰った。
16:そのころ、アハズ王は援助を求めてアッシリアの王に使者を送った。
17:再びエドム人が攻めて来てユダを撃ち、住民を捕虜にした。
18:ペリシテ人もシェフェラの町々とユダ領のネゲブに襲いかかり、ベト・シェメシュ、アヤロン、ゲデロト、ソコとその周辺の村落、ティムナとその周辺の村落、ギムゾとその周辺の村落を占領し、そこに住んだ。
19:このように主は、イスラエルの王アハズのゆえにユダを辱められた。彼がユダを堕落させ、主に甚だしく背いたからである。
20:アッシリアの王ティグラト・ピレセルはアハズを援助するどころか、攻めて来て、彼を苦しめた。
21:アハズは主の神殿、王宮、高官の家の財産を一部アッシリアの王に差し出したが、何の助けにもならなかった。
22:このアハズ王は、災難のさなかでも、なお主に背いた。
23:彼は自分を打ったダマスコの神々にいけにえをささげ、「アラムの王の神々は、王を助けている。その神々に、わたしもいけにえをささげよう。そうすればわたしも助けてくれるだろう」と言った。しかし、その神々はアハズにとっても、すべてのイスラエルにとっても、破滅をもたらすものでしかなかった。
24:アハズは神殿の祭具を集めて粉々に砕き、主の神殿の扉を閉じる一方、エルサレムのあらゆる街角に祭壇を築いた。
25:またユダの町という町にはどこにも聖なる高台を造って、他の神々に香をたき、先祖の神、主の怒りを招いた。
26:アハズの他の事績と全行動は、初期のことも後期のことも、『ユダとイスラエルの列王の書』に記されている。
27:アハズは先祖と共に眠りにつき、エルサレムの都に葬られた。しかし、その遺体はイスラエルの王の墓には入れられなかった。その子ヒゼキヤがアハズに代わって王となった。

29章

1:ヒゼキヤは二十五歳で王となり、二十九年間エルサレムで王位にあった。その母は名をアビヤといい、ゼカルヤの娘であった。
2:彼は、父祖ダビデが行ったように、主の目にかなう正しいことをことごとく行った。
3:その治世の第一年の第一の月に、ヒゼキヤは主の神殿の扉を開いて修理し、
4:祭司とレビ人を連れて来て、東の広場に集め、
5:言った。「レビ人よ、聞け。今、自分を聖別し、先祖の神、主の神殿を聖別せよ。聖所から汚れを取り去れ。
6:わたしたちの先祖は不忠実で、わたしたちの神、主の目に悪とされることを行った。彼らは主を捨て、主の幕屋から顔を背け、これに背を向けた。
7:また彼らは前廊の扉を閉じ、ともし火を消し、聖所でイスラエルの神に香をたくことも、焼き尽くす献げ物をささげることもしなかった。
8:主はあなたたちがその目で見たように、ユダとエルサレムに対して怒り、彼らを人々の恐れと驚きと嘲りの的とされた。
9:見よ、わたしたちの先祖はそのために剣に倒れ、息子も、娘も、妻も、捕虜にされた。
10:今わたしは、イスラエルの神、主と契約を結ぶつもりである。そうすれば、主の怒りの炎がわたしたちから離れるであろう。
11:わが子らよ、今このとき怠けていてはならない。主があなたたちをお選びになったのは、あなたたちが御前に出て主に仕え、主に仕える者として香をたくためである。」
12:そこでレビ人は立ち上がった。それはケハト一族のアマサイの子マハト、アザルヤの子ヨエル、メラリ一族のアブディの子キシュ、エハレルエルの子アザルヤ、ゲルション一族のジンマの子ヨア、ヨアの子エデン、
13:エリツァファン一族のシムリとエイエル、アサフ一族のゼカルヤとマタンヤ、
14:ヘマン一族のエヒエルとシムイ、エドトン一族のシェマヤとウジエルであった。
15:彼らは兄弟たちを集め、自分たちを聖別し、主の言葉による王の命令に従って主の神殿を清めるために来た。
16:祭司たちは主の神殿の内部に入って清め、主の聖所にある不浄のものはすべて主の神殿の庭に出し、レビ人はそれを受け取って外のキドロンの谷に運び出した。
17:第一の月の一日に、彼らは聖別を始め、その月の八日には主の前廊に達した。更に八日をかけて主の神殿を聖別し、第一の月の十六日にそれを終えた。
18:彼らはヒゼキヤ王のいるところに入って言った。「わたしたちは主の神殿をすべて清めました。焼き尽くす献げ物の祭壇とそのすべての祭具、また供え物のパンを置く聖卓とそのすべての祭具も清めました。
19:更にアハズ王がその王位にあったとき、主に背いて取り除いた祭具もすべてそろえ、清めました。御覧ください。それらは主の祭壇の前にあります。」
20:翌朝、ヒゼキヤ王は町の責任者を集めて、主の神殿に上った。
21:彼らは王家、聖所、ユダのための贖罪の献げ物として、雄牛七頭、雄羊七匹、小羊七匹、雄山羊七匹を引いて来た。王は祭司であるアロンの子らに向かって、主の祭壇の上で焼き尽くす献げ物をささげるように命じた。
22:祭司たちは牛を屠り、その血を受け取って祭壇に振りかけた。また雄羊も屠り、その血を祭壇に振りかけた。また小羊も屠り、その血を祭壇に振りかけた。
23:贖罪の献げ物にする雄山羊を王と会衆の前に引き出し、王と会衆がその上に手を置くと、
24:祭司たちはその雄山羊を屠り、すべてのイスラエルの罪の償いのためにその血を贖罪の献げ物として祭壇にささげた。焼き尽くす献げ物も贖罪の献げ物も全イスラエルのためにささげるよう、王が命じていたからである。
25:彼はダビデと王の先見者ガド、預言者ナタンの戒めに従ってシンバル、竪琴、琴を持つレビ人を神殿に配置した。この戒めは主が預言者たちによってお授けになったものである。
26:レビ人がダビデの楽器を、祭司がラッパを持って立つと、
27:ヒゼキヤは祭壇に焼き尽くす献げ物をささげるように命じた。焼き尽くす献げ物をささげ始めると、イスラエルの王ダビデの楽器の伴奏で、主の賛歌とラッパの演奏が始まった。
28:会衆は皆ひれ伏し、賛歌がうたわれ、ラッパが響き渡り、これらの事はすべて、焼き尽くす献げ物をささげ終わるまで続いた。
29:焼き尽くす献げ物をささげ終わると、王および彼と共にいた人々は皆ひざまずいて礼拝した。
30:ヒゼキヤ王と高官たちが、ダビデと先見者アサフの言葉をもって主を賛美するようにレビ人に命じたので、彼らは主を賛美して喜び祝い、ひざまずいて礼拝した。
31:ヒゼキヤは言った。「今、あなたたちは主に身をささげた。感謝の献げ物を携えて主の神殿に近づけ。」そこで会衆は感謝の献げ物を携え、また進んでささげようとする者は皆、焼き尽くす献げ物を携えて来た。
32:会衆が携えて来た焼き尽くす献げ物の数は、雄牛七十頭、雄羊百匹、小羊二百匹であった。これらはすべて焼き尽くす献げ物として主にささげられるものであった。
33:聖別された物は、牛六百頭、羊三千匹に達した。
34:ただ祭司は数が少なく、焼き尽くす献げ物全部の動物の皮をはぐことができなかった。そこで、その作業が終わるまで、あるいは他の祭司たちが自分を聖別するまで、彼らの兄弟であるレビ人が彼らを助けた。レビ人は自分を聖別することについて祭司たちよりも忠実だったからである。
35:また、多くの焼き尽くす献げ物、それに和解の献げ物の脂肪や焼き尽くす献げ物に注ぐぶどう酒もあった。こうして主の神殿における奉仕が復活した。
36:ヒゼキヤとすべての民は神が民のためにしてくださったことを喜び祝った。この事が速やかに行われたからである。

30章

1:ヒゼキヤはすべてのイスラエルとユダに使者を遣わし、またエフライムとマナセには書簡を送り、エルサレムの主の神殿に来てイスラエルの神、主のために過越祭を行うように呼びかけた。
2:王とエルサレムの高官とすべての会衆は協議し、第二の月に過越祭を行うことに決定した。
3:それは、まだ自分を聖別した祭司の数が十分でなく、民もエルサレムに集まっていなかったので、その時に過越祭を行うことができなかったからである。
4:その決定は王の目にもすべての会衆の目にも正しいと思われたので、
5:彼らはそれを実行に移し、ベエル・シェバからダンに至るまですべてのイスラエルに通知を送り、皆がエルサレムに来て、イスラエルの神、主のために過越祭を行うように呼びかけた。規定どおりにその祭りを行っている者は多くなかったからである。
6:急使は王と高官が託した書簡を持ってすべてのイスラエルとユダを巡り、王の命令どおりこう言った。「イスラエルの人々よ。アブラハム、イサク、イスラエルの神、主に立ち帰れ。そうすれば主は、アッシリアの王の手を免れて生き残った人々、あなたたちに帰ってくださる。
7:先祖の神、主に背いたあなたたちの父たちや兄弟たちのようになってはならない。あなたたちの見るとおり、主は彼らを滅ぼされた。
8:先祖のように強情になってはならない。主に服従し、とこしえに聖別された主の聖所に来て、あなたたちの神、主に仕えよ。そうすれば、主の怒りの炎もあなたたちから離れるであろう。
9:もしあなたたちが主に立ち帰るなら、あなたたちの兄弟や子供たちは、彼らを捕らえて行った者たちの憐れみを受け、この地に帰って来ることができるであろう。あなたたちの神、主は恵みと憐れみに満ちておられ、そのもとにあなたたちが立ち帰るなら、御顔を背けられることはない。」
10:急使はエフライムとマナセの地を町から町へと巡り、ゼブルンまで行ったが、人々は彼らを冷笑し、嘲った。
11:ただアシェル、マナセ、ゼブルンから、ある人々が謙虚になってエルサレムに来た。
12:また、ユダに神の御手が働いて、人々の心が一つにされ、主の言葉に従って王と高官の命令が実行に移された。
13:第二の月に、多くの民がエルサレムに集まり、除酵祭を行った。それは極めて大きな会衆となった。
14:彼らは立ち上がってエルサレムにあった祭壇を取り去り、香をたく台もすべて取り去り、キドロンの谷に投げ棄てた。
15:第二の月の十四日に、彼らは過越のいけにえを屠った。祭司とレビ人は恥じ入り、自分を聖別して、焼き尽くす献げ物を主の神殿に携えて来た。
16:こうして彼らは、神の人モーセの律法に定められているように、割り当てられた任務に就いた。祭司たちはレビ人の手から血を受け取って振りかけた。
17:会衆の中には自分を聖別していない者が多かったため、清くないすべての人に代わって、レビ人が過越のいけにえを屠る務めを果たし、清めたものを主にささげた。
18:民の大多数、エフライム、マナセ、イサカル、ゼブルンの多数の者が身を清めていなかった。それにもかかわらず、彼らは記されていることに違反して、過越のいけにえを食べたので、ヒゼキヤは彼らのために祈って言った。「恵み深い主よ、彼らをお赦しください。
19:彼らは聖所の清めの規定には従いませんでしたが、神、先祖の神、主を求めようと決意しているのです。」
20:主はヒゼキヤの祈りを聞き入れ、民をいやされた。
21:エルサレムにいるイスラエルの人々は七日間の除酵祭を行い、大いに喜び祝った。レビ人と祭司たちは、毎日主をたたえる強力な楽器を鳴らして、主を賛美した。
22:ヒゼキヤは、主への奉仕によく通じたすべてのレビ人に励ましの言葉をかけた。彼らは和解の献げ物をささげ、先祖の神に感謝しつつ七日間にわたって、祭りの食事にあずかった。
23:それから、全会衆は更に七日間祭りを行うことを決め、その七日間、祭りを喜び祝った。
24:ユダの王ヒゼキヤは雄牛千頭、羊七千匹を会衆に提供し、高官たちも雄牛千頭、羊一万匹を会衆に提供した。そこで多くの祭司が自分を聖別することになった。
25:こうして、ユダの全会衆、祭司たちとレビ人、イスラエルから来た全会衆、イスラエルの地から来た寄留者、ユダに住む者が共に喜び祝った。
26:エルサレムに大きな喜びがあった。イスラエルの王ダビデの子ソロモンの時代以来、このようなことがエルサレムで行われたことはなかった。
27:祭司たちとレビ人は立ち上がって、民を祝福した。その声は聞き届けられ、その祈りは主の聖なる住まい、天にまで達した。

31章

1:このようなことがすべて終わると、そこにいたすべてのイスラエル人はユダの町々に出かけて、石柱を砕き、アシェラ像を切り倒し、聖なる高台と祭壇を破壊し、ユダ全土、ベニヤミン、エフライム、マナセからそれらを徹底的に除き去った。こうしてイスラエルの人々は皆、それぞれ自分の町、自分の所有地に帰って行った。
2:ヒゼキヤは祭司とレビ人の組分けを行い、その組ごとに、主の陣営の門の中で、祭司とレビ人がそれぞれの任務に従って焼き尽くす献げ物や和解の献げ物をささげ、感謝し、賛美しながら奉仕するように定めた。
3:王はまた焼き尽くす献げ物のために自分の財産から王の分を出し、主の律法に記されているとおり、朝夕の焼き尽くす献げ物、安息日、新月祭、およびその他の祝祭日の焼き尽くす献げ物をささげさせた。
4:更に彼はエルサレムに住む民に、祭司とレビ人の受けるべき分を提供するように命じた。これは、祭司とレビ人が主の律法のことに専念するためであった。
5:この命令が伝わると、イスラエルの人々は穀物、ぶどう酒、油、蜜など、畑のあらゆる産物の初物を大量にささげ、またあらゆる物の十分の一を大量に運んで来た。
6:ユダの町々に住むイスラエルとユダの人々も、牛と羊の十分の一と、自分たちの神、主のために聖別された物の十分の一を運んで来て、次々と積み上げた。
7:第三の月に、その積み上げが始まり、第七の月に終わった。
8:ヒゼキヤと高官たちはその積み上げを見に来て、主とその民イスラエルをたたえた。
9:ヒゼキヤが祭司とレビ人にその積み上げについて尋ねると、
10:ツァドク家の祭司長アザルヤはこう答えた。「主の神殿に献納物の奉納が始まってから私たちは食べ物に不足はなく、むしろたくさん残ってしまうほどです。主はその民を祝福してくださいました。この大量の物が残っています。」
11:ヒゼキヤは主の神殿の中に祭司室を設けるように命じたので、彼らはそうした。
12:彼らは忠実に献納物、十分の一の献げ物、および聖別された物をそこに運び入れた。レビ人の指導者コナンヤがその責任を負い、彼の兄弟シムイが補佐役となり、
13:エヒエル、アザズヤ、ナハト、アサエル、エリモト、ヨザバド、エリエル、イスマクヤ、マハト、ベナヤがヒゼキヤ王と神殿の主管アザルヤの命令によって、コナンヤとその兄弟シムイの下でそれを監督することになった。
14:東の門の門衛、レビ人イムナの子コレが神への随意の献げ物の責任を負い、主への献納物と神聖なる物を分配した。
15:彼の指揮下でエデン、ミンヤミン、イエシュア、シェマヤ、アマルヤ、シェカンヤが、祭司の町でその兄弟たちに組ごとに、老若の別なく、忠実に分配した。
16:登録された三歳以上の男子のほかに、主の神殿に入り、組ごとの任務として、日々の奉仕に当たる者すべてに分配された。
17:祭司はその家系に従って、レビ人は二十歳以上の者が、その組ごとの任務に従って登録されていた。
18:彼らの登録は、そのすべての幼児、妻、息子、娘、すなわち全会衆を含んでいた。彼らも聖別された物を忠実に取り扱うために聖別されていたからである。
19:また、彼らの町の牧草地にいる、アロンの子孫である祭司たちのためには、どの町にも指名された者がいて、祭司ならすべての男子に、レビ人なら登録されているすべての者に、その受けるべき分を分配することになっていた。
20:ヒゼキヤはユダの全土にこのように行い、自分の神、主の御前に良い事、正しい事、真実な事を行った。
21:彼は神殿における奉仕について、また律法と戒めについて、神を求めて始めたすべての事業を、心を尽くして進め、成し遂げた。

32章

1:ヒゼキヤがこれらの真実な事を行った後、アッシリアの王センナケリブが攻めて来た。彼はユダに侵入し、その砦の町々に対して陣を張り、町々を攻め取ろうとした。
2:ヒゼキヤは、センナケリブが来て、エルサレム攻略を目指しているのを見ると、
3:将軍や勇士たちと協議し、町の外にある泉の水をせき止めることにした。彼らは王を支持した。
4:多くの民が集まり、そのすべての泉と、この地を流れる谷川をせき止め、「アッシリアの王が来るとき、豊富な水を得させてはならない」と言った。
5:王は意欲的に、壊れた城壁を修理し、その上に塔を立て、外側にもう一つの城壁を築いた。ダビデの町のミロを堅固にし、多くの投げ槍と盾を作った。
6:王は指揮官を民の上に立て、彼らを城門の前にある広場に集めて激励して言った。
7:「強く雄々しくあれ。アッシリアの王とその全軍団を見ても、恐れてはならない。おじけてはならない。我々と共においでになる方は、敵と共にいる者より力強い。
8:敵には人の力しかないが、我々には我々の神、主がいて助けとなり、我々のために戦ってくださる。」民はユダの王ヒゼキヤの言葉に力づけられた。
9:その後、全軍を率いてラキシュを攻めていたアッシリアの王センナケリブは、エルサレムに家臣たちを遣わし、エルサレムにいるユダの王ヒゼキヤとユダのすべての人々にこう言わせた。
10:「アッシリアの王センナケリブはこう言われる。お前たちは何を頼りにして、包囲されたエルサレムにとどまっているのか。
11:ヒゼキヤは、『我々の神、主がアッシリアの王の手から救ってくださる』と言って、お前たちを唆し、飢えと渇きで死なせようとしているのではないか。
12:ヒゼキヤはユダとエルサレムに向かい、『ただ一つの祭壇の前で礼拝し、その上で犠牲を燃やして煙にせよ』と言って、彼の主の聖なる高台と祭壇を取り除いたのではなかったか。
13:お前たちは、わたしとわたしの先祖が全世界の民に行ったことを知らないのか。諸国の神々がわたしの手からその国を救い出すことができたか。
14:わたしの先祖によって滅ぼされたこれら諸国の神々のうち、どの神がわたしの手からその民を救い出すことができたか。お前たちの神は、わたしの手からお前たちを救うことができるというのか。
15:そのようにしてヒゼキヤに欺かれ、唆されてはならない。彼を信じてはならない。どの民、どの国のどの神も、わたしの手から、またわたしの先祖の手からその民を救うことができなかった。お前たちの神も、このわたしの手からお前たちを救い出すことはできない。」
16:センナケリブの家臣たちは、神なる主とその僕ヒゼキヤに向かってなお語り続けた。
17:またセンナケリブ自らイスラエルの神、主を侮る手紙を書き、主に逆らって言った。「わたしの手から自分の民を救うことのできなかった諸国の神々と同じように、ヒゼキヤの神も、わたしの手からその民を救い出すことはできない。」
18:彼らは城壁の上にいたエルサレムの民に、ユダの言葉を使って大声で呼びかけ、恐れと戸惑いを起こさせ、町を占領しようとした。
19:彼らは、エルサレムの神を、人の手の業にすぎない諸国の神々と同じように考えて語った。
20:ヒゼキヤ王と預言者、アモツの子イザヤはこの事のために祈り、天に助けを求めて叫んだ。
21:主は御使いを遣わして、アッシリアの王の陣営にいる勇士、指揮官、将軍を全滅させられた。王は面目を失って帰国し、その神の神殿に来たところ、自分の血を引く王子らによって剣にかけられ倒された。
22:こうして主は、ヒゼキヤとエルサレムの住民を、アッシリアの王センナケリブおよびあらゆる敵の手から救い、周囲の者たちから彼らを守って安らぎを与えられた。
23:多くの人々が主にささげる供え物と、ユダの王ヒゼキヤにささげる貴重な品々を携えてエルサレムに来た。それ以来、王はあらゆる国の民から仰ぎ見られるようになった。
24:そのころ、ヒゼキヤは病にかかり、死にそうになった。彼が主に祈ったので、主は彼にこたえ、しるしを与えられた。
25:しかし、ヒゼキヤは受けた恩恵にふさわしくこたえず、思い上がり、自分とユダ、エルサレムの上に怒りを招いた。
26:ヒゼキヤはエルサレムの住民と共に、思い上がりを捨ててへりくだったので、その時代に彼らが主の怒りに襲われることはなかった。
27:ヒゼキヤは極めて多くの富と誉れに恵まれ、宝物庫を造って金、銀、宝石、香料、盾、その他あらゆる宝物を納め、
28:補給基地の町を造って、穀物、ぶどう酒、油など農産物を蓄え、畜舎を造って、あらゆる種類の家畜を飼い、柵を造って、羊の群れを飼っていた。
29:町を幾つも造り、羊や牛の群れを数多く持った。神が極めて豊かな財産をお与えになったからである。
30:上の方にあるギホンの湧き水をせき止め、ダビデの町の西側に向かって流れ下るようにしたのも、このヒゼキヤであった。ヒゼキヤはそのすべての事業を成し遂げた。
31:しかし、バビロンの諸侯が、この地に起こった奇跡について調べさせるため、使節を遣わしたとき、神はヒゼキヤを試み、その心にある事を知り尽くすために、彼を捨て置かれた。
32:ヒゼキヤの他の事績および敬神の行為の数々は、『預言者、アモツの子イザヤの見た幻』と『ユダとイスラエルの列王の書』に記されている。
33:ヒゼキヤは先祖と共に眠りにつき、その遺体はダビデ一族の墓のある丘に葬られた。その死にあたってすべてのユダとエルサレムの住民が彼に敬意を表した。その子マナセがヒゼキヤに代わって王となった。

33章

1:マナセは十二歳で王となり、五十五年間エルサレムで王位にあった。
2:彼は主がイスラエル人の前から追い払われた諸国の民の忌むべき慣習に倣い、主の目に悪とされることを行った。
3:彼は父ヒゼキヤが取り壊した聖なる高台を再建し、バアルの祭壇を築き、アシェラ像を造った。更に彼は天の万象の前にひれ伏し、これに仕えた。
4:主はかつて、「エルサレムにわたしの名をとこしえにとどめる」と言われたが、その主の神殿の中に彼は異教の祭壇を築いた。
5:彼はまた、主の神殿の二つの庭に天の万象のための祭壇を築いた。
6:彼はベン・ヒノムの谷で自分の子らに火の中を通らせ、占いやまじないを行い、魔術や口寄せ、霊媒を用いるなど、主の目に悪とされることを数々行って主の怒りを招いた。
7:彼はまた像、彫像を造り、神殿に置いた。神はその神殿について、かつてダビデとその子ソロモンにこう仰せになった。「わたしはこの神殿に、イスラエルの全部族の中から選んだエルサレムに、とこしえにわたしの名を置く。
8:もし彼らがわたしの命じるすべてのこと、モーセによるすべての律法、掟、法を行うよう努めるなら、わたしはあなたたちの先祖のものと定めたこの土地から、二度とイスラエルを移さない。」
9:マナセはユダとエルサレムの住民を惑わし、主がイスラエルの人々の前で滅ぼされた諸国の民よりも更に悪い事を行わせた。
10:主はマナセとその民に語られたが、彼らはそれに耳を貸さなかった。
11:そこで主は、アッシリアの王の将軍たちに彼らを攻めさせられた。彼らはマナセを鉤で捕らえ、一対の青銅の足枷につないでバビロンに引いて行った。
12:彼は苦悩の中で自分の神、主に願い、先祖の神の前に深くへりくだり、
13:祈り求めた。神はその祈りを聞き入れ、願いをかなえられて、再び彼をエルサレムの自分の王国に戻された。こうしてマナセは主が神であることを知った。
14:その後、彼は谷にあるギホンの西側にダビデの町の外壁を築いた。それは魚の門にまで達し、オフェルを囲んだ。壁は非常に高く築き上げられた。彼はユダのすべての砦の町に軍の長を配置した。
15:彼は異国の神々と偶像を主の神殿から取り除き、主の神殿の立つ山とエルサレムに築かせたすべての異教の祭壇も同様にして町の外に投げ捨てた。
16:そして、主の祭壇を築き、その上に和解と感謝の献げ物をささげ、ユダの人々にイスラエルの神、主に仕えるよう命じた。
17:しかし民は、彼らの神、主に対してではあるが、依然として聖なる高台でいけにえをささげていた。
18:マナセの他の事績、神にささげたその祈り、およびイスラエルの神、主の御名によって先見者たちの告げた言葉は、『イスラエルの列王の記録』に載っている。
19:彼が祈って聞き入れられたこと、彼のすべての罪や背信の行為、また、へりくだる前に聖なる高台を築き、アシェラ像と彫像を立てた場所については、『ホザイの言葉』に記されている。
20:彼は先祖と共に眠りにつき、自分の王宮に葬られた。その子アモンがマナセに代わって王となった。
21:アモンは二十二歳で王となり、二年間エルサレムで王位にあった。
22:彼は父マナセが行ったように主の目に悪とされることを行い、父マナセが造ったすべての彫像にいけにえをささげ、それに仕えた。
23:だがアモンは、父マナセがへりくだったようには、主の御前にへりくだることなく、罪悪を積み重ねた。
24:彼の家臣たちは謀反を起こし、彼を宮殿で殺害した。
25:しかし国の民は、アモン王に対して謀反を起こしたすべての者を討ち、その子ヨシヤをアモンの代わりに王とした。

34章

1:ヨシヤは八歳で王となり、三十一年間エルサレムで王位にあった。
2:彼は主の目にかなう正しいことを行い、父祖ダビデの道を歩み、右にも左にもそれなかった。
3:その治世の第八年、彼がまだ若かったときに、父祖ダビデの神を求めることを始め、第十二年に聖なる高台、アシェラ像、彫像、鋳物の像を取り除き、ユダとエルサレムを清め始めた。
4:人々は彼の前でバアルの祭壇を壊し、彼はその上にあった香炉台を切り倒した。彼はアシェラ像をはじめ、彫像、鋳物の像を粉々に打ち砕き、これらにいけにえをささげた者たちの墓の上にまき散らした。
5:彼はまた祭司たちの骨をその祭壇の上で焼き、ユダとエルサレムを清めた。
6:マナセ、エフライム、シメオン、更にナフタリにまで及ぶ地方の町々でも、その周りの荒れた地方でも、
7:イスラエルの国中で彼は異教の祭壇やアシェラ像を取り壊し、偶像を打ち砕いて粉々にし、香炉台をすべて切り倒して、エルサレムに帰った。
8:その治世の第十八年に、その地と神殿を清めた後、王は自分の神、主の神殿を修理するため、アツァルヤの子シャファン、町の長マアセヤ、補佐官ヨアハズの子ヨアを遣わした。
9:彼らは大祭司ヒルキヤのもとへ行って、主の神殿に納められた献金を渡した。これは、門を守るレビ人がマナセとエフライム、イスラエルのすべての生き残りの者、またすべてのユダとベニヤミンおよびエルサレムの住民から集めたものであった。
10:それは主の神殿の責任を負っている工事担当者の手に託され、主の神殿で働く工事担当者は神殿を補強し、修理するためにそれを用いた。
11:それを職人や建築作業員に渡して、ユダの王たちが荒れるにまかせてきた建物のために、切り石および骨組みや梁に用いる木材を買わせた。
12:この人々は忠実に仕事をした。彼らの上にはレビ人メラリ一族のヤハトとオバドヤ、ケハト一族のゼカルヤとメシュラムが監督として任命された。レビ人の楽器の達人は皆、
13:荷役労働者の上に任命され、それぞれの仕事に携わるすべての工事担当者を指揮した。一部のレビ人は書記、官吏、門衛の役目を果たした。
14:主の神殿に寄せられた献金が取り出されている間に、祭司ヒルキヤがモーセによる主の律法の書を見つけ、
15:書記官シャファンに、「わたしは主の神殿で律法の書を見つけました」と言った。ヒルキヤがその書物をシャファンに渡したので、
16:シャファンはそれを王のもとに届け、また王に報告をした。「あなたの僕たちにゆだねられた工事はすべて進行しています。
17:彼らは主の神殿にあった献金を取り出して、監督と工事担当者の手に渡しました。」
18:更に書記官シャファンは王に、「祭司ヒルキヤがわたしに一つの書を渡しました」と告げ、王の前でその書を読み上げた。
19:王はその律法の言葉を聞くと、衣を裂いた。
20:王はヒルキヤ、シャファンの子アヒカム、ミカの子アブドン、書記官シャファン、王の家臣アサヤにこう命じた。
21:「この見つかった書の言葉について、わたしのため、イスラエルとユダに残っている者のために、主の御旨を尋ねに行け。我々の先祖が、主の言葉を守らず、この書物に記されているとおりにすべての事を行わなかったために、我々の上に注がれた主の怒りは激しいからだ。」
22:ヒルキヤと王が指名した者たちは、女預言者フルダのもとに行った。彼女はハスラの孫でトクハトの子である衣装係シャルムの妻で、エルサレムのミシュネ地区に住んでいた。彼らがその話を彼女に聞かせると、
23:彼女は答えた。「イスラエルの神、主はこう言われる。『あなたたちをわたしのもとに遣わした者に言いなさい。
24:主はこう言われる。見よ、わたしはこの所とその住民に災いをくだし、ユダの王の前で読み上げられた書に記されているすべての呪いを実現する。
25:彼らがわたしを捨て、他の神々に香をたき、自分たちの手で作ったすべてのものによってわたしを怒らせたために、わたしの怒りはこの所に向かって注がれ、消えることはない。
26:主の心を尋ねるためにあなたたちを遣わしたユダの王にこう言いなさい。あなたが聞いた言葉について、イスラエルの神、主はこう言われる。
27:あなたはこの所とその住民についての主の言葉を聞いて心を痛め、神の前にへりくだり、わたしの前にへりくだって衣を裂き、わたしの前で泣いたので、わたしはあなたの願いを聞き入れた、と主は言われる。
28:見よ、わたしはあなたを先祖の数に加える。あなたは安らかに息を引き取って墓に葬られ、わたしがこの所とその住民にくだす災いのどれも、その目で見ることはない。』」彼らはこれを王に報告した。
29:そこで王は人を遣わして、ユダとエルサレムのすべての長老を集めた。
30:王は、ユダのすべての人々、エルサレムの住民、祭司とレビ人、老いた者から若い者まで、すべての民と共に主の神殿に上り、主の神殿で見つかった契約の書のすべての言葉を彼らに読み聞かせた。
31:それから、王は自分の場所に立って主の御前で契約を結び、主に従って歩み、心を尽くし、魂を尽くして主の戒めと定めと掟を守り、この書に記されている契約の言葉を実行することを誓った。
32:王はエルサレムとベニヤミンにいるすべての者に誓わせた。エルサレムの住民は先祖の神、その神の契約に従って行動した。
33:ヨシヤはイスラエルの人々のすべての土地から忌むべきものを一掃し、イスラエルにいるすべての者をその神、主に仕えさせた。彼が生きている間、彼らは先祖の神、主に従う道からはずれることはなかった。

35章

1:ヨシヤはエルサレムにおいて主の過越祭を祝い、第一の月の十四日に過越のいけにえを屠った。
2:彼は祭司たちを任務に就かせ、彼らを励まして主の神殿の奉仕を行わせた。
3:すべてのイスラエルの教師であり、主のために聖別されたレビ人に、王はこう言った。「イスラエルの王ダビデの子ソロモンが建てた神殿に、聖なる箱を納めよ。あなたたちはもはやそれを担う必要がない。あなたたちの神、主とその民イスラエルに奉仕せよ。
4:あなたたちはイスラエルの王ダビデの書とその子ソロモンの文書にのっとり、組分けどおりに家系ごとに準備を整え、
5:兄弟である民の家系の区分に従い、またレビ人の家系の組ごとに聖所に立て。
6:過越のいけにえを屠り、自分を聖別し、あなたたちの兄弟が、モーセを通して伝えられた主の言葉に従って祝いができるように整えよ。」
7:ヨシヤ王は民のために羊、小羊、子山羊を提供した。これらは皆、そこにいるすべての人の過越のいけにえのためであり、その数は三万匹、牛も三千頭に及んだ。これらは王の財産の中から提供された。
8:高官たちも、民と祭司、レビ人のために進んで提供した。神殿の主管ヒルキヤ、ゼカルヤ、エヒエルは過越のいけにえとして小羊二千六百匹、牛三百頭を祭司たちに与えた。
9:コナンヤ、その兄弟シェマヤとネタンエル、レビ人の指導者ハシャブヤ、エイエル、ヨザバドは、過越のいけにえとして小羊五千匹、牛五百頭をレビ人に提供した。
10:奉仕の準備は整った。王の指示に従って、祭司はその持ち場に、レビ人はその組ごとに立った。
11:彼らは過越のいけにえを屠り、祭司は血を受け取って振りかけ、レビ人はいけにえの皮をはいだ。
12:彼らは焼き尽くす献げ物とする部分を別にして、それを民の家系の区分に従って与え、モーセの書に記されているとおり主にささげさせた。牛についても同様にした。
13:彼らは定められているように、過越のいけにえを火で焼き、他の聖なる物は鍋や釜や平鍋で煮て、急いで民の全員に配った。
14:その後、彼らは自分と祭司のために準備した。アロンの子らである祭司たちは夜になるまで焼き尽くす献げ物や脂肪をささげるのに追われていたからである。レビ人は自分とアロンの子孫である祭司のために準備した。
15:アサフの一族である詠唱者たちは、ダビデおよび王の先見者アサフ、ヘマン、エドトンの指示に従って自分の持ち場につき、門衛もそれぞれの門に立っていた。兄弟であるレビ人が彼らのために準備してくれたので、彼らの中のだれも、自分の奉仕を離れる必要がなかった。
16:ヨシヤ王の指示に従って過越祭を祝い、主の祭壇に焼き尽くす献げ物をささげるために、主に対する奉仕の準備は、その日にすべて整った。
17:こうしてその時、そこにいたイスラエルの人々は過越祭を祝い、除酵祭を七日間にわたって祝った。
18:預言者サムエルの時代以来、イスラエルにおいてこのような過越祭が祝われたことはなく、ヨシヤが祭司、レビ人、そこに居合わせたすべてのユダとイスラエルの人々、およびエルサレムの住民と共に祝ったような過越祭を行った者は、イスラエルの歴代の王の中に一人もいなかった。
19:この過越祭はヨシヤ王の治世第十八年に祝われた。
20:ヨシヤが神殿を整えるために行ったこれらのすべての事の後、エジプトの王ネコがユーフラテス川の近くのカルケミシュを攻めようとして上って来た。ヨシヤはこれを迎え撃つために出陣した。
21:しかしネコは使いを送って言った。「ユダの王よ、わたしはあなたと何のかかわりがあろうか。今日攻めて来たのはあなたに対してではなく、わたしが敵とする家に対してである。神はわたしに急ぐようにと命じられた。わたしと共にいる神に逆らわずにいなさい。さもなければ、神はあなたを滅ぼされる。」
22:しかし、ヨシヤは引き返さず、攻撃のために変装して、神の口から出たネコの言葉を聞かなかった。そして彼はメギド平野の戦いに臨んだ。
23:射手たちがヨシヤ王を射た。王が家臣たちに、「傷は重い。わたしを運び出してくれ」と言ったので、
24:家臣たちは王を戦車から降ろし、王の第二の車に乗せてエルサレムに連れ帰った。王は死んで、先祖の墓に葬られた。ユダとエルサレムのすべての人々がヨシヤの死を嘆いた。
25:エレミヤはヨシヤを悼んで哀歌を作った。男女のすべての歌い手がその哀歌によってヨシヤを語り伝えるようになり、今日に至っている。それがイスラエルの定めとなり、歌は『哀歌』に記されている。
26:ヨシヤの他の事績および主の律法に忠実に従った行為の数々は、
27:初期のことも後期のことも、『イスラエルとユダの列王の書』に記されている。

36章

1:国の民はヨシヤの子ヨアハズを選び、エルサレムで父の代わりに王とした。
2:ヨアハズは二十三歳で王となり、三か月間エルサレムで王位にあった。
3:しかし、エジプトの王はエルサレムで彼を退位させ、その国には科料として銀百キカル、金一キカルを課した。
4:他方、エジプトの王はヨアハズの兄弟エルヤキムをユダとエルサレムの王とし、その名をヨヤキムと改めさせた。兄弟のヨアハズはネコに捕らえられ、エジプトに連れて行かれた。
5:ヨヤキムは二十五歳で王となり、十一年間エルサレムで王位にあった。彼は自分の神、主の目に悪とされることを行った。
6:その彼をバビロンの王ネブカドネツァルが攻めて来て、青銅の足枷をはめ、バビロンに引いて行った。
7:ネブカドネツァルは主の神殿の祭具類もバビロンに持ち帰り、バビロンにある彼の宮殿に納めた。
8:ヨヤキムの他の事績、彼の行った数々の忌むべきことおよび彼に起こったことは、『イスラエルとユダの列王の書』に記されている。その子ヨヤキンがヨヤキムに代わって王となった。
9:ヨヤキンは八歳で王となり、三か月と十日間エルサレムで王位にあった。彼は主の目に悪とされることを行った。
10:年が改まるころ、ネブカドネツァル王は人を遣わし、彼を主の神殿の貴重な祭具類と共にバビロンに行かせ、その兄弟ゼデキヤをユダとエルサレムの王とした。
11:ゼデキヤは二十一歳で王となり、十一年間エルサレムで王位にあった。
12:彼は自分の神、主の目に悪とされることを行い、主の言葉を告げる預言者エレミヤの前にへりくだらなかった。
13:彼はまた、神の名にかけて彼に誓わせたネブカドネツァル王に反逆し、強情になってその心をかたくなにし、イスラエルの神、主に立ち帰らなかった。
14:祭司長たちのすべても民と共に諸国の民のあらゆる忌むべき行いに倣って罪に罪を重ね、主が聖別されたエルサレムの神殿を汚した。
15:先祖の神、主は御自分の民と御住まいを憐れみ、繰り返し御使いを彼らに遣わされたが、
16:彼らは神の御使いを嘲笑い、その言葉を蔑み、預言者を愚弄した。それゆえ、ついにその民に向かって主の怒りが燃え上がり、もはや手の施しようがなくなった。
17:主はカルデア人の王を彼らに向かって攻め上らせられた。彼は若者たちを聖所の中で剣にかけて殺し、若者のみならず、おとめも、白髪の老人も容赦しなかった。主はすべての者を彼の手に渡された。
18:彼は神殿の大小の祭具のすべて、主の神殿の宝物も、王とその高官たちの宝物も残らずバビロンに持ち去った。
19:神殿には火が放たれ、エルサレムの城壁は崩され、宮殿はすべて灰燼に帰し、貴重な品々はことごとく破壊された。
20:剣を免れて生き残った者は捕らえられ、バビロンに連れ去られた。彼らはペルシアの王国に覇権が移るまで、バビロンの王とその王子たちの僕となった。
21:こうして主がエレミヤの口を通して告げられた言葉が実現し、この地はついに安息を取り戻した。その荒廃の全期間を通じて地は安息を得、七十年の年月が満ちた。
22:ペルシアの王キュロスの第一年のことである。主はかつてエレミヤの口を通して約束されたことを成就するため、ペルシアの王キュロスの心を動かされた。キュロスは文書にも記して、国中に次のような布告を行き渡らせた。
23:「ペルシアの王キュロスはこう言う。天にいます神、主は、地上のすべての国をわたしに賜った。この主がユダのエルサレムに御自分の神殿を建てることをわたしに命じられた。あなたたちの中で主の民に属する者はだれでも、上って行くがよい。神なる主がその者と共にいてくださるように。」

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Posted by JK7ESY